新型コロナウイルスの影響で長期化している休校の解除を巡り、文部科学省が、小一・小六・中三の三学年の登校を先行させる案を選択肢として示す方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。入学直後だったり、卒業や入試を控えたりして、優先度が高いと判断。登校再開を段階的に行うことで、感染拡大の原因となる密閉、密集、密接の「三密」を避ける狙いがある。
文科省は政府の専門家会議の見解を踏まえ、学校再開時の考え方を近く公表し、学校の設置者である全国の教育委員会などに参考にしてもらう。
登校する学年を限定すれば教室に余裕ができ、一つのクラスを複数の教室に分け、密集を避けながら授業を行うことなどが可能になる。同様の効果を狙い、登校時間をずらすことなども選択肢として示す見通し。
文科省はこれまで「多くの学校においては人の密度を下げることには限界があり、教育活動上、近距離での会話や発声等が必要な場面も生じる」と認めた上で、学校を再開する場合は毎朝の検温、授業中の窓開け、マスクの着用などの対策を取ることを求めてきた。
しかし、同省の二十二日正午時点の調査では国公私立の小中高校などの九割超が休校し、五月の連休明け後も継続するとした自治体が増えている。学習の遅れが深刻化する中、文科省は感染リスクをさらに抑える選択肢を明示することで、円滑な学校再開につなげたい考えだ。
2020-04-30 07:03:32Z
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