インドは新規感染者数でブラジルを抜いた（10日、ニューデリー）=ロイター
【サンパウロ=外山尚之、早川麗】世界の新型コロナウイルスの累計感染者数が1300万人を超えた。新規感染者数でインドがブラジルを抜き2番目になったほか、南アフリカも連日のように新規感染者数が1万人を超え、新興国でのまん延が深刻だ。米国も収束は遠く、厳しい状況が続く。
米ジョンズ・ホプキンス大によると、米東部時間13日午後5時（日本時間14日午前6時）時点で世界の累計感染者数は1300万人、死者数は57万人だった。12日集計分のインドの新型コロナウイルスの新規感染者数は約2万8700人と過去最多を更新し、ブラジル（2万4800人）を上回った。ブラジルで週末の検査数が少なくなることも一因だが、インドの感染拡大が止まらない。
インド政府は増加の原因は検査数を1日20万件に増やしたためと説明するが、店舗閉鎖などを強いる都市封鎖を6月8日から大幅に緩和してから感染者の増加が加速している。商都ムンバイ、首都ニューデリー、製造業が集積する南部チェンナイなど人口密度が高く、他人と一定の距離を保ちにくい都市部での感染が止まらない。
警察官や医療関係者、製造現場で働く人、米国などからの帰国者が感染している。感染経路が不明の人も多いようだ。インド映画界の大スター、アミタブ・バッチャン氏も11日にツイッターで感染したことを報告し、衝撃が広がった。医療崩壊の危機が迫っており、各地でベッドを増床する動きが出ている。
死者数では中南米・カリブ地域の増加基調が続いている。12日集計分のデータによると、中南米の累計死者数は14万5千人弱と、米国とカナダの合計（14万4千）を超えた。貧弱な医療インフラや所得格差が死者数の増加を招いており、12日時点で死者数でメキシコがイタリアを超えて世界で4番目になった。
新興国と並び深刻なのが米国だ。12日の新規感染者数は5万9千人と、インドやブラジルに2倍以上の大差をつけている。米ニューヨーク・タイムズ（電子版）によると、全50州のうち、42州で新規感染者数が増加しているという。
2020-07-13 20:13:07Z
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