安倍晋三首相の連続在任日数が24日、2799日となり、大叔父の佐藤栄作元首相を抜き、憲政史上最長となった。集団的自衛権の一部行使の実現などに強い批判もあるなか、なぜ長期政権となったのか。安保法制懇のメンバーであった国際政治学者、細谷雄一・慶応大教授は「安倍政権の政策は、右派というよりも中道だから」と語ります。そのこころは?
ほそや・ゆういち 1971年生まれ。専門は国際政治学。安倍首相の私的諮問機関「安保法制懇」のメンバー。著書に「国際秩序」など。
「実際の政策は総じて『中道』路線」
――史上最長となった政権をどうみますか。
「プラグマティズムとイデオロギーを両立させたことが長期政権につながったと思います。国民の大多数が重視する経済成長を『アベノミクス』という形で約束し、かたや支持基盤である保守層向けにはイデオロギー色の強いメッセージを打ち出しました」
――強い「右」を感じさせつつ、バランスの良い政策を進めてきたと。
「アベノミクスは大胆な金融緩和と機動的な財政政策が柱ですが、そもそもこうした政策は国際的にみればリベラル政権がするもの。経済重視の路線は巨大な貿易相手・中国との関係を良好にすることを意味するため、保守層が反発して離れるかもしれなかった。今では当たり前のように語られる『両立』ですが、当初はリスクのある戦略だったのです」
――イデオロギーはあくまでイメージ戦略だということですか?
「安倍さんの保守イデオロギー…
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2020-08-24 01:30:00Z
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