今年のノーベル化学賞の受賞テーマとなったゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」は、中田篤男・大阪大名誉教授(90)と石野良純・九州大教授(63)が30年以上も前に行った研究が源流だ。スウェーデン王立科学アカデミーから業績に触れる形でたたえられた中田さんと石野さんは7日夜、「最高の名誉だ」「興奮している」と、画期的な研究にかかわれたことを喜んだ。
受賞が決まったのは、クリスパー・キャス9を開発した仏国籍のエマニュエル・シャルパンティエさん(51)と米国籍のジェニファー・ダウドナさん(56)だ。
この日、中田さんは大阪府豊中市の親族宅で取材に応じ、「数十年前の研究に着目してくれた2人に感謝したい」と語った。福岡市の九州大で記者団に、石野さんは「ダウドナさんと食事をしたことがある。私をリスぺクト(尊敬)してくれている」「(2人に)心からお祝い申し上げる」と述べた。
大阪大の助教授だった中田さんと研究員だった石野さんは1986年、大腸菌の遺伝子配列を解読する過程で、不思議な配列を見つけた。同じ配列が一定の間隔を挟んで規則的に繰り返されていた。
この配列がクリスパー・キャス9を開発する基盤となったが、2人は87年に発表した論文で「生物学的な意味はわからない」とした上で報告した。
中田さんは「自分はノーベル賞を取れなかったけども、(受賞が決まった2人の)研究に大きな影響を与えたと思っている」と話した。石野さんは「自分の研究で満足しているし、後悔はない」と強調した。その上で「(我々の論文の)責任著者は中田先生。先生が受賞するなら一番うれしいことだった」と気遣った。
2020-10-07 23:01:30Z
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