【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合（EU）のフォンデアライエン欧州委員長と英国のジョンソン首相は7日、英・EUの将来関係を巡って電話協議した。両首脳は「合意のための条件はそろっていない」と、依然として意見の隔たりが解消されていないとの認識で一致。状況を打開するために、ジョンソン氏は近くブリュッセルを訪れ、フォンデアライエン氏と直接会談する意向だ。
電話協議は5日に続くもので、90分前後に及んだようだ。首席交渉官が6～7日に交渉した内容を首脳間で議論した。協議後に公表された共同声明によると、両首脳は「英海域でのEU漁船の漁業権」「公正な競争環境の確保」「紛争解決などのガバナンス」の3点で大きな意見の相違が残っているため、現段階では合意に到達できないとの見解を共有した。
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その上で両首脳はブリュッセルでの直接の会談に向けて、首席交渉官に首脳間で話し合うべき課題を整理するよう指示した。ジョンソン氏は近くブリュッセルでフォンデアライエン氏と膝詰めで協議する構えだ。EUは10～11日にブリュッセルで首脳会議を開くが、英・EUの首脳会談がいつ開かれるかは明らかになっていない。
複数の欧州メディアは、EUのバルニエ首席交渉官が7日、事実上の交渉期限は9日と語ったと報じた。英国は1月にEUを離脱したものの、12月末までは「移行期間」としてEU加盟国とほぼ同じ扱いを受ける。自由貿易協定（FTA）などに合意できないと、2021年から関税があがるなど企業活動に影響が出る。
2020-12-07 21:31:44Z
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