自身の選挙を巡る大規模買収事件で先月、東京地裁から有罪判決を受けた参院議員の河井案里被告（４７）が３日、議員辞職した。控訴せずに判決を受け入れることも事務所を通じて表明。無罪主張から一転した突然の幕引きに、地元・広島県内では驚きや憤りが広がった。
■姿見せぬまま
「納得しかねる」。同日午後に議員辞職願を提出した後、案里被告が公表した声明では、買収を認定した判決をそう批判した一方、「信頼を回復できなかったことは政治家として情けなく、争いを長引かせるのは本意ではない」などと現在の心境を明かしていた。
案里被告はこの対応について、声明で、共に起訴された元法相で衆院議員の夫、克行被告（５７）が公判中であることを挙げて理解を求めたが、県内に住む案里被告の後援会幹部の男性（５６）は「我々支援者には一切説明がなく、責任を果たしていない。今後もするつもりはないのだろう。もう顔も見たくない」と突き放した。
広島市安佐南区の無職女性（７６）は「無実を主張していたので、辞職は意外。なぜ、今日までかかったのか。県民として恥ずかしい」と指摘。県内には現金を受け取った地元政治家らを批判する声も根強く、案里被告の辞職後も県政界の混乱は続く。
2021-02-03 14:40:00Z
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