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Thursday, February 25, 2021

ミサゴ お帰り穴水に 南方から帰巣 最も早く - 中日新聞

南方から能登の巣に戻ったミサゴの雌=穴水町で(時国公政さん提供)

南方から能登の巣に戻ったミサゴの雌=穴水町で(時国公政さん提供)

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七尾の時国さん確認


 秋から冬にかけて南下していた、環境省のレッドリストで「準絶滅危惧種」に含まれる野鳥ミサゴが、穴水町の巣に戻ったことを、同省希少野生動植物種保存推進員の時国公政(こうせい)さん(79)=七尾市大津町=が確認した。例年は三月ごろに南方から戻ることが多いという。時国さんが約五十年観察してきた中で最も早い到着だという。 (中川紘希)

 時国さんは二十四日、穴水湾近くのアカマツの木の上に、成鳥の雌がいるのを見つけた。今年能登に戻る時期が早かったことについて、時国さんは「環境の要因ではなく、その個体だけが早かったのかもしれない。明確な理由はわからない」と話す。

 冬まで別々に生活する雄も近く到着すると予想され、雌は四月に産卵する。五月に卵がかえり、親に育てられ七月ごろに巣立つ見通しだという。

 「ミサゴの子育てにはドラマがある」と時国さん。雄は魚を捕まえて子どもに与えるが、巨大なボラやスズキに海中に引き込まれて死んでしまうこともある。他方、八月になっても巣にとどまり餌をねだる子がいたりと、さまざまな物語が繰り広げられるという。

 一方、能登半島では、営巣地付近での道路開発や住宅建設などで、かつては百五十ほど確認された巣が現在は四十以下に。時国さんは「鳥たちのドラマが失われようとしている。貴重な鳥を後世に残していきたい」と話した。

 ミサゴ 川や湖沼、海で水に飛び込み魚を捕らえる習性から「水探(みさご)」と呼ぶようになった説も。大きな魚を捕まえると両足で握るようにつかみながら飛ぶ。全長は雄60センチ未満、雌60センチ前後。翼が長く尾は短め。目から首の後ろ側に黒い太い帯模様がある。世界各地、国内各地で見られ、北日本の個体は冬期は暖かい南方へ移る。単独かつがいで生活。木や崖の上などに枝を集め巣を作る。環境省レッドデータで、生息条件の変化によって「絶滅危惧」に移行の可能性がある「準絶滅危惧」に分類。


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