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Thursday, March 11, 2021

仕事とがんの共存に向け「最も注力したのは、がん教育」 - 新公民連携最前線

 2009年度からスタートした「がん対策推進企業アクション」。がんになっても働き続けられる環境整備とともに、がん検診受診率50%以上を目指す厚生労働省の委託を受けた国家プロジェクトである。2021年3月6日現在、3539の企業・団体が推進パートナーとして登録済みだ(関連記事:日常の企業活動の中で「がん」と真剣に向き合う時期に来た)。

 がん対策推進企業アクションは、がん対策に向き合う企業・団体を選出して毎年表彰している。2021年3月3日に開催された「令和2年度 がん対策推進企業アクション 統括セミナー」では今年度の表彰企業が発表され、「厚生労働大臣賞」は日立システムズが受賞した。

厚生労働大臣賞を受賞した日立システムズ 人事総務本部 本部長の西正氏(写真:小口 正貴、以下同)

 日立システムズでは、がんの早期発見、早期治療に向けたがん検診受診率の向上、がんに罹患しても安心して働き続けられる職場風土醸成を掲げた。社員と家族を対象に健康保険から補助金を支給したり、リマインドメールやフォローメールを送付したりすることによって、定期健康診断受診率100%を達成。全国15拠点、保健師23人体制で健康相談窓口を設置し、社員が相談しやすい環境づくりを整備するなど、支援の輪を広げている。

 事例を発表した日立システムズ 人事総務本部 ダイバーシティ推進センタ センタ長の金森さつき氏は「最も注力したのは、がん教育」だとした。2017年11月から全国28会場でがん予防と早期発見セミナーを開催し、累計700人以上が受講。がん体験者による乳がん、食道がんの実体験談などを共有した。また、「がんと就労」をテーマに全職場ミーティングを実施したほか、専門家を招いて治療と仕事の両立支援講演会を開くなど、社員への啓蒙を図った。

日立システムズ 人事総務本部 ダイバーシティ推進センタ センタ長 金森さつき氏

 「これらの教育を通じて、『がん=退職と思い込んでいたが、治療と両立しながら働ける選択肢を知って安心した』『がんの治療も育児や介護と同じ。お互いに支え合うことが大切』といったポジティブな声が多く聞かれるようになった」(金森氏)。2020年10月には「治療勤務制度取扱規則」を制定し、がん治療を対象とした時短勤務、在宅勤務の基準を定めている。

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