スエズ運河をふさいでいる巨大コンテナ船は部分的に離礁したが、完全に浮上させて移動させ、スエズ運河の通行を再開させるにはまだ作業が必要だ。
スエズ運河庁によると、座礁した「エバーギブン」は約８割、正常な位置に戻った。しかし20万トンの船を完全に浮上させるにはまだ多大な仕事が残っていると、サルベージチームの親会社、ボスカリス・ウエストミンスターのペーター・ベルドウスキ最高経営責任者（ＣＥＯ）が述べた。
「船尾の部分を浮上させるのは容易な方の作業で、難しいのは船首だ」と同ＣＥＯはオランダのＮＰＯラジオ１に説明。「船首についてまだ作業をしている。ぬか喜びは避けたい」と語った。
部分的に浮上したエバーギブン（３月29日）
全長が運河の幅を超えるエバーギブンは23日に運河をさえぎる形で座礁。新型コロナウイルス流行の影響ですでに負荷の増している世界のサプライチェーンを混乱させた。サルベージチームが数日かけて掘削機としゅんせつ船で運河底を緩めた後、29日早朝にタグボート10隻がエバーギブンを動かすため投入された。
運河当局によると、サルベージ作業は現地時間午前11時30分（日本時間午後６時30分）ごろに再開予定。コンテナ船をグレートビター湖エリアに移動させた後、スエズ運河の運航が再開される。
スエズ運河担当エジプト大統領顧問のモハブ・マミッシュ氏は「全ての船に運河を通過させる計画をきょう中に開始する。全ての船がスエズ運河を抜けるには１週間程度かかるかもしれない」と述べた。
スエズ運河に入るのを待つ船舶
直近の集計では、約450隻が運河内で止まっているかその手前で待機している。その他の船はアフリカ南端を回るルートに迂回（うかい）した。
石油タンカーを保有するユーロナブのヒューゴ・デストープＣＥＯはブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「座礁した船を浮上させるのと、通過待ちの船を一掃するのは別の問題だ。これまでに待機している船舶をはけさせるには時間を要する」と述べ、２、３週間かかる可能性があると指摘した。
原題：
Ending Suez Snarl-Up Still Needs Work as Ship Partly Refloated（抜粋）
2021-03-29 10:44:04Z
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