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Tuesday, March 23, 2021

<古賀稔彦さん最後の言葉>人生で最も大切な舞台へ 孤独になって心身を鍛え上げろ - 東京新聞

バルセロナ五輪決勝で判定勝ちした直後、涙をこらえガッツポーズをとる古賀稔彦さん

バルセロナ五輪決勝で判定勝ちした直後、涙をこらえガッツポーズをとる古賀稔彦さん

 3月24日に亡くなった柔道・バルセロナ五輪金メダリストの古賀稔彦さんは2017年から「2020年への金言」「栄光への金言」のタイトルで、本紙で不定期連載を続けていた。今年2月8日付朝刊に掲載された記事が、古賀さんの最後の言葉となった。

   ◇    ◇

 柔道の日本勢は1月、約1年ぶりに国際大会(マスターズ大会)に出場した。久しぶりの試合で外国人選手への対応が難しかったのではないか。特に男子は身長や手足の長さが違うし、試合で様子見をしない。「始め」と同時に強烈なパワーを生かして闘ってくる。

 国内ではコロナ禍で出稽古も厳しい状況だ。所属での練習は後輩や格下が相手で、トップ選手は100パーセントの力を出さずに居心地のいい稽古ができてしまう。そういう意味で、ともに2回戦で敗れた東京五輪100キロ超級代表の原沢久喜(百五銀行)、90キロ級代表の向翔一郎(ALSOK)には、いい刺激になっただろう。ここから仕切り直しだ。

 今はネット社会で、東京五輪の開催について、さまざまな情報が入ってくる。日本代表とは、同じ階級の選手たちの思いを背負い、五輪の畳で闘う権利を得た選手だ。その責任を持ち、覚悟を決め、迷いなく準備を進めてほしい。

 五輪は全てのスポーツ選手にとって夢の舞台。4年に一度しかない、世界が最も注目する大会であり、選手が人生で一番勝負したい舞台でもある。しかも柔道は金メダルをとれる可能性が十分ある競技。ぜひ、大きなチャンスをつかんでほしい。

 本番まであと半年。出稽古もできず、密になってもいけない。限られた練習環境下で、私ならどうするか。代表選手は、指導者、トレーニングコーチ、栄養士、メンタルの先生らサポーターがたくさんいる。だから、あえて誰もいない大自然に行き、目の前に敵がいることを想定し、一人打ち込みに励みたい。

 多くの選手と組み合えない今、試合へ向けた想像力が大切になる。孤独になり、頭の中でさまざまなタイプと闘い、イメージを養う。自分を見つめ直し、心身を鍛え上げていく。練習相手が不十分だからこそ、己をタフにする一つの稽古ではないかと思っている。 (一般社団法人古賀塾塾長、バルセロナ五輪柔道男子71キロ級金メダリスト)

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