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Sunday, March 28, 2021

タグ船、スエズ離礁へ増援 大統領「荷降ろし準備」指示 - 日本経済新聞

タグ船、スエズ離礁へ増援 大統領「荷降ろし準備」指示 - 日本経済新聞

全長400メートルのコンテナ船「エバーギブン」が運河を塞いでいる(27日夜、スエズ運河)

【カイロ=久門武史】エジプトのスエズ運河で座礁し航路を塞いでいる大型コンテナ船の離礁作業で、船を引っ張る大型タグボート2隻が28日にも現場に入り支援を増強する。スエズ運河庁のラビア長官は同日、エジプトのシシ大統領が座礁船を軽くするための荷降ろしの準備を指示したと同国メディアに語った。

ラビア氏は27日、スエズ市内での記者会見で離礁について「特定の時間軸はない」と述べ、メドが立っていないことを明らかにした。座礁したコンテナ船「エバーギブン」を軽くするため船体を安定させるバラスト水約9千トンを抜き取ったとし「かじが動いた」と一定の進展があることを強調した。

座礁の原因については「技術的問題やヒューマンエラーの可能性もある」と語った。同庁は当初、砂嵐が原因としていた。運河遮断のため待機している船舶は321隻にのぼると明らかにした。復旧費用や損失の補償については、調査を待つとして明言しなかった。

記者会見するスエズ運河庁のラビア長官(27日、スエズ)

離礁作業では、大潮の時期に当たるこの週末に満潮で水位が上がるのを利用し、座礁船をタグボートで動かそうとしている。運河庁は船首の周りの土砂2万7千立方メートルを取り除き、水深18メートルまで掘り進んだと表明した。

オランダとイタリアの大型タグボート2隻は28日、近くの紅海まで入った。座礁船を所有する正栄汽船(愛媛県今治市)の幹部は日本経済新聞に「大型タグ船が来るのがやや遅れており、到着は(現地時間)日曜(28日)の夜遅くになりそう」だとの見通しを示した。

大潮の機を利用した離礁がうまく行かない場合、復旧が遠のく懸念がある。積み荷を降ろし船を軽くする選択肢が現実味を増すが、この場合さらに時間がかかる。運河庁の作業を支援しているオランダのサルベージ会社のトップは、積載コンテナ1万8300個のうち船首側の600個が対象になるとの認識を示した。

正栄汽船は日本時間27日夜に離礁を目指す考えを26日に示していたが、実現しなかった。スエズ運河庁が現場付近を国内外の報道陣に初めて公開した27日午後8時(日本時間28日午前3時)ごろの時点で、座礁船が動いている様子はみられなかった。

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2021-03-28 12:49:20Z
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