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Tuesday, April 13, 2021

大阪府新型コロナ重症患者約15人 病床の空きなく転院できず|NHK 関西のニュース - nhk.or.jp

大阪府新型コロナ重症患者約15人 病床の空きなく転院できず|NHK 関西のニュース - nhk.or.jp

大阪で新型コロナの重症患者が急増し、府内の医療機関で重症だと判断したにもかかわらず、病床の空きがないため転院できずにいる患者が、12日の時点で府内におよそ15人いることが、関係者への取材で新たにわかりました。
府は「いままでにない事態が起きている」と話しています。

新型コロナの感染の急拡大で大阪府では重症患者は、12日時点で218人と、この2週間で2.6倍と急増し、すぐに入院できる重症患者用の病床が90%以上埋まるなど、ひっ迫した状態が続いています。
この事態を受けて、府は、先週、中等症・軽症の患者を受け入れている規模の大きな病院に対して、患者が重症化しても転院させず、その病院で治療を続けるよう要請し、12日の時点で、15人の重症患者が転院せずに治療を受けています。
しかし、これとは別に、府内の医療機関で、重症だと判断したにもかかわらず、病床の空きがないため転院できずにいる患者が12日の時点で、およそ15人いることが関係者への取材で新たにわかりました。
これらの患者が入院している医療機関は、府の入院フォローアップセンターに、重症病床がある病院への転院を依頼しているということです。
また、これとは別に人工呼吸器を装着するかどうか検討している容体の悪い患者がおよそ15人、いるということです。
重症になったと判断した患者を転院させることができず、治療を続けてきた病院のひとつは、「技術面でも設備面でもスタッフの訓練度合いでも、重症患者を治療するのは困難だが、放り出すわけにいかないのでひっ迫の状況が改善するのを待つしかない」と話しています。
府は、「まん延防止等重点措置の効果は感じられない。現時点では患者は適切な医療が受けられている状況だが、非常にひっ迫した状態で、今までにない事態が起きている。府民には行動を変えてもらって医療を助けてほしい」と話しています。

【重症化も転院先見つからず 病院は】。
新型コロナの重症患者が急増する中、軽症・中等症の患者を受け入れている大阪府内の病院では、患者が重症化したと判断して府に転院を依頼したものの、4日間にわたって転院先がみつからずに、そのまま継続して治療を行ってきました。
大阪・此花区にある「大阪暁明館病院」はおよそ460床ある民間の総合病院で、現在、軽症や中等症の新型コロナの患者用に病床を17床用意して患者を受け入れています。
病院によりますと、先週、入院していた新型コロナの患者の容体が悪化して重症になったと判断したため、患者の入院先を調整する府の入院フォローアップセンターに、転院を依頼しました。
しかし、転院先の病院が4日間、見つからず、挿管などの処置をして治療を続けてきたということです。
「大阪暁明館病院」の西岡崇浩本部長は、「技術面でも設備面でもスタッフの訓練度合いでも重症患者を治療するのは困難ですが、放り出すわけにいかないので状況が改善するのを待つしかありません」と話していました。
病院では、多くの看護師が重症患者の治療にあたってきたため、新たな軽症や中等症の患者の受け入れを一時、停止していました。
西岡本部長は、「せっかく病床を増やしたが、患者の受け入れができなくなっている。そうなると入院できず、自宅で経過観察となり、医療の目が届きにくくなる患者が増えるのではないかと懸念している」と話していました。

【“入院先なく命にかかわる可能性”】。
この状況について、国立感染症研究所の客員研究員で大阪府済生会中津病院の安井良則 医師は、「新型コロナの重症患者と一般の重症患者の両方が受け入れられなくなる事態が、いま、起こっているのではないかと思う。通常の医療が提供できない状況になりつつある」と警鐘を鳴らしています。
そのうえで、「新型コロナの患者が爆発的に増えている中で、多少、ベッドを増やしたとしても間に合わない状況になっている。このままでは病院に入院できないまま重症化してしまい、場合によっては命にかかわるという人が、これから出てきてしまうと考える」と話しています。

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2021-04-13 09:33:00Z
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