カリブ海に浮かぶ小国・ドミニカ共和国に住み、中南米の新興国を舞台に貿易事業を展開する風間真治さん。日本同様、コロナ禍で甚大な被害を受けたドミニカ共和国の飲食業界が、生き残りをかけて模索した結果生み出された、5つの業態をレポートします。
新型コロナウイルスの発生から1年以上が経ちました。日本もそうかもしれませんが、ドミニカ共和国で最も大きな影響を受け、変化を余儀なくされたのが飲食業界です。度重なる緊急事態宣言によって多くの飲食店が閉店に追い込まれ、最悪な状況が続いています。
飲食店には、店員のマスクとアルコール消毒を店内に設置することが義務化されました。またどの飲食店も、ソーシャルディスタンスを取るためにテーブル間の幅を広げ、既存の店舗に併設する形で、新たにテラス席を拡大する店舗も増えてきました。
テーブルの間隔を空ければ当然、店舗の売上に影響しますし、緊急事態宣言によって営業時間が制限されていることも、多くの飲食店経営者を苦しめています。
4月4日からの緊急事態宣言によって、現在のところ、平日は19時まで、週末は21時までの営業となっています。しかしドミニカ共和国をはじめ中南米では、ディナーを外で食べるときは習慣として、早いときでも20時ぐらい、通常は20時半~21時ぐらいに訪れる人が多いため、週末の21時までの営業というのは飲食店にとって、実質的にはディナーの営業ができないに等しいのです。
このような背景の中で、各飲食店とその関係者たちが生き残りを模索してきた結果、これまでの飲食業界には存在しなかった、新型コロナウイルスが生み出したともいえる5つの流れをレポートしてみたいと思います。



台頭した巨大マーケット「バイクデリバリー」
まず最初に台頭してきたのが巨大なバイクデリバリー市場です。
ドミニカ共和国では、昨年新型コロナウイルスのパンデミック宣言が発出された後、2カ月という長期にわたって多くの飲食店が休業を余儀なくされました。5月末になってようやく営業再開が認められましたが、店舗営業をすることはできず、「デリバリー限定」という条件付きでの再開となりました。
この状況下で、特に勢いよく攻勢に出たのが、「バイクデリバリー」専用アプリ会社の2社でした。ひとつは中米のエルサルバドルのデリバリーアプリ会社「Hugo」、もうひとつは南米ウルグアイに本社を持つ「Pedido Ya(「今すぐ注文」という意味)」という会社で、いずれも、元々ドミニカ共和国でバイクデリバリーを営んでいました。
それまでのバイクデリバリー専用アプリは、主に宅配ピザのPizza HutやPapa Johns、マクドナルドなどのフランチャイズの店向けのサービスがほとんどでした。
ところが新型コロナウイルス蔓延後、主要な飲食店が次々とバイクデリバリーアプリ会社と提携を結んでいき、またたく間に、アプリでデリバリー注文できる飲食店が増えたのです。
ほんの数カ月間の出来事でしたが、この間に市場は一機に様変わりしていきました。

ドミニカ共和国に住んでいる日本人にも人気の高い日本食や韓国レストラン、中華系の飲食店も登録されていて、私自身もデリバリーアプリを使う機会がかなり増えました。
中南米に本社機能を持つ会社のアプリとはいえ、肝心の使い勝手もかなり良く、一度住所登録をしてしまうと、あとはスマートフォンのGPS機能で自動的にデリバリー先を検索してくれるので、アマゾンで買い物をするような感覚で注文できて、ストレスはありません。
また、GPS機能を使えばデリバリーバイクが現在どこの道を通っているか、何時ぐらいに到着するかも、かなり細かく、しかもタイムリーに追跡できるために、安心して使うことが可能です。

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からの記事と詳細 ( 【緊急レポート2021】ドミニカ共和国でも最も被害を受けた飲食業界新しい業態開発で生き残りを図る - ダイヤモンド・オンライン )
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