アイドル誕生から半世紀。現代の女性アイドル事情
日本に「アイドル歌手」と呼ばれる存在が生まれてから、すでに半世紀が経っている。 いつの世もその活動はハードだったに違いないが、苦労の影など一切見せず、いつも軽やかにステージに立つ姿はひとえに彼女たちのプロ意識、努力と美学によって成り立っている。 それゆえ、アイドルという仕事が体力的にいかに壮絶なものか、想像もつかない人がほとんどだろう。 現代の女性アイドルたちは、具体的にどのような問題を抱えているのか。近年のアイドル界で起こった事象をもとに取り上げていきたい。 ■“グループのパフォーマンス”により年々上がる運動量 2010年代初頭、日本では「アイドル戦国時代」と呼ばれるほど全国にアイドルが生まれ、その潮流は徐々に落ちついてきたものの、今日までつづいている。 同じくシーンが盛り上がった1980年代のいわゆる「アイドル黄金期」と決定的に異なるのは、ソロ活動が中心だった当時に比べ、現在はグループ活動が主流ということだろう。 それによってアイドルには運動量の増加という変化が起きた。「風が吹けば桶屋が儲かる」的な飛躍の仕方にも思えるかもしれないが、いったいどういうことなのか見ていこう。 ソロ歌手の場合、当然だが歌割りがないため歌いながら踊ることへの物理的な限界が生まれる。そのため手振りやステップは最小限に抑えられていることがほとんどだった。 それに対し、グループのパフォーマンスでは必然的に歌唱パートが割り振られ、それ以外の部分に振り付けがないとメンバーは手持ち無沙汰になってしまう。 次々に交替する歌唱メンバーを目立たせるという意味でも、また楽曲の表現手段としても、フォーメーション移動が必須となり、自然と運動量が上がっていったのだ。 ■ももクロから加速した「ストイックライブブーム」 もうひとつ、さらに大きく更新されたのはライブの密度ではないだろうか。 いくらアイドルの数が増えたとはいえ、当時から現在までも、メディアで大きく扱われるのはAKB48系列や坂道系列のグループがほとんどだ。 その中でテレビCMや数少ない音楽番組の出演枠を獲得してきたももいろクローバーZやでんぱ組.inc、BABYMETAL、BiSHなどの面々は、いずれもメンバーや楽曲の人気と共に、ライブの内容を高く評価されて狭き門を突破したという印象が強い(BABYMETAL、BiSHに関しては「アイドル」と公式に自称していないものの、前者は「成長期限定アイドルユニット さくら学院」からの派生グループ、後者は「新生アイドル研究会 BiS」の姉妹グループである)。 特にアイドル戦国時代の象徴的存在ともいえるももいろクローバーZ(以下、ももクロ)は、汗だくの全力パフォーマンスが従来のアイドルのイメージを覆し、多くの人々の心に届いた。 ももクロのステージングスタイルはライブアイドル界にみるみる浸透し、○○曲連続披露、MCなしライブと謳った公演が軒並み支持された。数多くのグループがしのぎを削った結果、ストイックなライブのブームは加速しつづけたのである。
からの記事と詳細 ( アイドルの健康と月経。「最も踊る時代」に身体のケアは追いついているか?(QJWeb クイック・ジャパン ウェブ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/3ihU1p9
No comments:
Post a Comment