【パリ=山田真也】フランスやスペインなど欧州の主要なワイン生産国の今年の生産量が、霜害や大雨など気候の変調がブドウの生育に影響したため、大幅に減少する見通しとなった。国際ブドウ・ワイン機構(OIV=本部・パリ)は、ワイン生産が世界的な気候変動の問題に直面しているとの認識を示している。
OIVが4日に発表した今年の生産量見通しによると、ワインの主要生産国28か国の生産量は約250億リットルにとどまり、2000年以降では、ブドウが記録的な不作だった17年に次ぐ低水準となるとみられている。
世界のワイン生産量の45%、欧州連合(EU)で約8割を占めるフランス、スペイン、イタリアの生産の落ち込みが著しい。特にフランスは、ブルゴーニュ、シャンパーニュなどの主要産地が、春の季節外れの寒さによる霜害や夏の大雨、ひょう、病害などの被害を受けた。フランス全体の生産量は20年比27%減の34億2000万リットルと推定され、イタリアに次ぐ2位だった世界ランキングでスペインに抜かれる可能性が高い。
シャンパンの産地シャンパーニュの生産団体で事務局長を務めるダビッド・シャティヨン氏は、深刻な不作の今年について「この50年で最も厳しい年だろう」と語った。出荷量については「収穫量が多かった年の分を備蓄しているので問題はない」との見通しを示した。
一方、南半球の南アフリカ、オーストラリアなどは天候に恵まれたため、生産は好調だ。OIVのパウ・ロカ事務局長はオンラインの記者会見で、フランスなどでの生産量減少が世界的なワイン供給に影響するかどうかは「まだ評価できない」との考えを示した。その上で、世界的な気候変動にワイン生産も「適応していかなければならない」と強調した。
からの記事と詳細 ( 気候変動で霜害・大雨、欧州産ワインが不作…「この50年で最も厳しい年」 - 読売新聞オンライン )
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