大阪府警はクリニックの玄関付近にガソリンのようなものを撒き、火を放ったとして、逮捕前に谷本盛雄容疑者(61)の氏名を異例の公表に踏み切った。 AERAdot.が既報したように、谷本容疑者は今回の犯行を彷彿とさせるような殺人未遂事件を10年前に起こしていた。編集部はその公判の判決文を入手。取材していくと今回との類似点が浮かび上がった。 谷本容疑者が長男に対し、殺人未遂事件を起こしたのは、2011年4月25日早朝6時15分頃だ。大阪市淀川区のマンションの1階の部屋で「助けて」と大きな声が響き渡り、玄関ドアから谷本容疑者の長男が飛び出してきた。谷本容疑者の手には包丁が握られていたという。現場近くに住む住民は当時をこう振り返る。 「部屋の玄関には血だまりがあった。外から中をのぞき込むと、壁に血がしぶきのように飛び散り、すごい現場だった」 谷本容疑者は長男の後頭部や左側、右肩などと次々と突き刺し、全治2週間のケガを負わせて、殺人未遂容疑で大阪府警に逮捕された。 その後、起訴され、約8か月後の12月18日、谷本容疑者に懲役4年の実刑判決が下された。判決文には谷本容疑者の犯行に至るまでの経過、動機が詳細に記されていた。 谷本容疑者は2008年に元妻と離婚。 <家族と離れて一人暮らしをするようになったが、寂しさに耐えかねて、2009年9月ごろに元妻に復縁を申し込んだが、断られた。そのため、寂しさを募らせて、孤独感などから自殺を考えるようになった。しかし、死ぬのが怖くてなかなか自殺に踏み切れなかった。そのため、誰かを殺せば、死ねるのではないか、元妻に迷惑をかけている長男を殺そう、家族一緒でなければならないから、元妻や次男も道連れにしようなどと思うようになった>(判決文より抜粋)
2021-12-21 05:33:00Z
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