15日午前8時35分ごろ、東京都文京区弥生1丁目の大学入学共通テストの会場となっていた東京大学弥生キャンパス前の路上で、共通テストを受験しに来た高校生2人と男性が相次いで背中を刺された。警視庁は生徒2人への殺人未遂容疑で名古屋市在住の高校2年生の少年（17）を現行犯逮捕した。少年は、「東大に入りたかったが、1年前から成績が落ちて悩んでいた」「事件を起こして死のうと思った」などと話しているという。
捜査関係者によると、少年は14日に行方がわからなくなり、両親が同日夜に愛知県警に行方不明者届を提出していたという。
警視庁によると、刺されたのは東京都豊島区の男性（72）▽千葉県浦安市の男子生徒（18）▽同県市川市の女子生徒（17）。男性、女子生徒、男子生徒の順に被害に遭ったとみられる。
生徒2人は少年と面識はなく、同庁は無差別に襲われたとみている。少年は3人を刺した後、警備員に持っていた刃物（約15センチ）を取り上げられ、現場に座り込み、駆けつけた警察官に逮捕された。刃物は「自宅から持ってきた」と説明し、上京の経緯については「夜行バス乗った。15日早朝に東京に着いた」などと供述しているという。
現場は東京メトロ南北線東大前駅から約100メートルの路上。東大農学部などが入る弥生キャンパスの「農正門」の前で、共通テストの受験生がキャンパスに入る出入り口になっていた。試験は予定通り、午前9時半から開始された。
東京メトロによると、南北線東大前駅の改札近くで午前8時20分ごろ、爆竹のようなものが破裂する不審火があった。けが人はいなかった。警視庁によると、逮捕された少年はこの不審火についても関与を認める供述をしているという。また、この直前に走行中の南北線の車両に飲料水のようなものがまかれる事件も起きており、警視庁は少年がかかわった可能性もあるとみている。
2022-01-15 09:30:07Z
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