今月15日に実施された大学入学共通テストの試験時間中に「世界史B」の問題を撮影した画像が、外部に流出した疑いがあることが、関係者への取材で判明した。受験生とみられる人物から画像を送信された男性が、問題を解いてインターネット通話アプリで返信していたという。大学入試センターから相談を受けた警視庁は、偽計業務妨害容疑で捜査を始めた。
世界史Bが出題された「地理歴史・公民」は15日午前9時半～同11時40分に実施。この人物から問題を解くよう頼まれたという男性が17日、毎日新聞の取材に応じた。東京大の学生といい、男性によると、インターネット通話アプリ「スカイプ」で15日午前11時過ぎに、試験問題を撮影した画像10枚を受験生とみられる人物から受け取った。
共通テストの問題とは知らず、試験時間中に解答を返信。15日午後になって自分が解いた問題が共通テストで出題された問題であることに気づいて、不正行為の可能性があることを大学入試センターに通報した。
男性は、東京都内の会社が運営する家庭教師の仲介サービスで、受験生とみられる人物と知り合った。昨年12月、女性名で「高校2年生」を名乗っており「（家庭教師を依頼するための）テストとして世界史と現代文（国語）の問題を解いていただき、大丈夫そうなら指導をお願いしたい」と頼まれたという。この人物は仲介サービスで知り合った他の大学生らにも解答を依頼していたとみられる。
サービスの運営会社は取材に対し、事案を把握していることを認め「家庭教師とその生徒になるのは個人同士の契約なので、そこに任せたところはある」と話した。また、大学入試センターは「情報の真偽について確認している」という。共通テストでは、試験中に、スマートフォンなどの電子機器類を使ったり、問題冊子を持ち出したりすることは禁じられている。【酒造唯、最上和喜、鈴木拓也、遠藤大志】
2022-01-26 02:42:45Z
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