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Tuesday, January 18, 2022

自分の髪を提供するヘアドネーション浸透 | 株式会社 三陸新報社 - sanrikushimpo.co.jp

 ガンなどの病気や事故で髪に悩みを持つ子供たちに、人の髪で作られたウィッグを贈る「ヘアドネーション」(髪の寄付)が気仙沼市内でも行われている。一般的にウィッグは高価で手が届きにくいため、ヘアドネーションが近年、全国的に普及している。
 市内の伊藤茜さん(40)は、ヘアドネーションをしに田中前の美容室「Oa(オア)」を訪れた。1年半以上伸ばした髪を㌢ほどを切った。
 伊藤さんは小学6年生の時に、全身に不調症状があらわれる全身性エリテマトーデス(SLE)を発症以来、脱毛を何度も経験してきた。高校生の時、ためていたお年玉で、ウィッグを購入した。髪の毛がなくなることのつらさが分かるから―と語る伊藤さんは「自分の髪が誰かの役に立てればうれしい」とカットをお願いした。
 美容師の吾妻裕也さん(40)によると、5年前はゼロだったが、最近は年間5人ほどが来ているという。特に10代が9割を占め、「『ヘアドネーション』の認知が広がり、『同年代の力になりたい』という子が増えている」と話す。
 ヘアドネーション用に、長さ31センチ以上にカットされた髪は本人や美容室から、全国のNPO法人などに郵送。30人から50人ほどの髪を集めて、ようやく1人分のウィッグとなる。髪を洗浄、補修するなどの過程を経て、ウィッグに生まれ変わり、贈られる。
 仙台市のNPO法人「ヒーロー」によると、「ショートの場合30、40万円、ロングの場合は70万ほどかかる」といい、医療費を優先しウィッグ購入を諦めるケースが多いという。
 幸町のナツ美容室でもヘアドネーションカットを行っている。小川美和代表によると、「5年ほど前はほとんどいなかったが、今では2カ月に1人のペースで来ている」といい、親子で髪を伸ばす人も訪れている。「震災復興の恩返しになればと始めた。相談やカットを喜んで受け付けている」と話している。
日本初のヘアドネーション専門団体・NPO法人「ジャーダック」(大阪府)によると、ウィッグを待つ子供たちは全国で約270人おり、県内には11人いるという。

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