東京都心などで10日、警報級の大雪となる恐れがあります。雪が降れば、必ずそのぜい弱さが浮き彫りになる東京。10日も、多大な影響が出ることが予想されます。
今年、2度目となる東京での本格的な雪。気象庁は、緊急発表で警戒を呼び掛けます。
気象監視・警報センターの足立勇士所長:「気温が予想よりも低くなった場合には、東京23区をはじめ、関東地方南部の平野部でも警報級の大雪となる可能性がある。大雪の場合には、不要不急の外出を控えてください」
10日未明から徐々に雪のエリアは広がり、東京都心では午前6時ごろから雪となる予想です。この雪をもたらすのは関東の南にある南岸低気圧。南岸低気圧による雪の予報は難しく、気温が1度違えば、雪の降り方が大きく変わります。先月、東京で降った雪も事前の予報より気温が下がったため、警報級の大雪となりました。道路や鉄道の交通網は大きく乱れ、転倒などで500人以上が救急搬送されました。
ただでさえ、新型コロナウイルスで救急搬送がひっ迫する今、備えが始まっています。麻布消防署では、予想される積雪に備えて消防車両にチェーンをはかせる作業が進められていました。麻布消防署では、先月の雪の経験を踏まえ、都民にこう訴えます。
東京消防庁麻布消防署警防課長・川上正史消防司令長:「都民の皆さんは、不慣れな点があって、特に外出中の転倒事故が多く発生。お出かけの際は、滑りにくい靴を履いて、ゆっくり足元を気にしながら歩いていただければと思う」
コロナと大雪。ダブルパンチの影響を受けるのは、飲食店も同じです。練馬区の串焼き居酒屋では、まん延防止等重点措置により、バイトは休ませ、店長たった一人で営業しています。先月も、三連休前の雪でした。ちょっと駅から離れたこの店にとって、雪はさらなる打撃になります。
ネリマル・宮本元康店長:「こうやって開けていても誰も来ない。(雪は)さらにプラスで大ダメージになるとは思う。天候は仕方ないので、半分あきらめている感じ」
10日は、先月の雪よりも湿った雪になるため、着雪による倒木や停電に注意が必要で、路面状況もより悪化するとみられています。民間気象情報会社『ウェザーニューズ』では、「先月の雪よりも影響は大きい」とみているようです。
気象予報士・芳野達郎さん:「11日朝までの積雪で見ると、都心がだいたい5〜10センチ。条件次第では10センチ超えという状況は、引き続き継続。下振れの可能性は、低くなってきているので、“広範囲で大雪”という見方が固いといった状況になっている」
予想が難しい都内の雪ですが、ウェザーニューズでは、9日午後、アプリで“号外”を発信することにしました。
ウェザーニューズモバイルインターネット事業部・須田浩子さん:「積雪がかさむところでは10〜20センチの可能性があって、交通への影響も大きいので、あしたは在宅勤務できる方は、そうしてほしいし、代替手段を検討して、雪への備えをしてというメッセージ」
在宅か出社か、企業も頭を悩ませています。
明治安田生命では、大雪の予報を受けて、10日の出社をどうするかなど会議を行いました。すでに出社率を6割ほどに抑えていますが、10日は、さらにその半分ほどが、在宅勤務になる見込みです。
明治安田生命総務部・松田裕之部長:「コロナ禍は災いではあるけど、テレワークの環境がずいぶんと進展したので、それくらいの出社率でも十分に業務は継続できる」
東京都は9日、経団連などにも、テレワークや出勤抑制を企業に呼び掛けるよう要請しました。
2022-02-09 14:30:07Z
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