Pages

Tuesday, March 8, 2022

米がロシア産原油を禁輸 追加制裁、英も輸入停止へ(写真=ロイター) - 日本経済新聞

米がロシア産原油を禁輸 追加制裁、英も輸入停止へ(写真=ロイター) - 日本経済新聞

【ワシントン=坂口幸裕、ロンドン=中島裕介】バイデン米大統領は8日、ホワイトハウスで記者会見し、ロシア産の原油、天然ガス、石炭の輸入を全面的に禁止すると発表した。まずは米国単独で禁輸に踏み切り、エネルギーをロシアに依存する欧州の同盟国などについては各国に判断を委ねる。

英政府も8日、ロシア産原油の輸入を停止すると発表した。年末までに段階的に削減する。

バイデン氏は8日「米国はロシア経済の大動脈を標的にしている。ロシアの石油、ガス、エネルギーの輸入を全面的に禁止する」と述べた。「世界中の同盟国、特に欧州と緊密に協議して決めた。欧州の同盟国・有志国の多くが参加しないと理解したうえで禁輸する」と強調した。

米ホワイトハウスによると、米国人がロシアでのエネルギー生産にかかわる外国企業に投資することも禁じる。8日にバイデン氏がロシア産の石油、天然ガス、石炭の輸入を禁止する大統領令に署名する。

バイデン氏は「米国は他の国ができないステップを踏むが、欧州と協力してロシアへのエネルギー依存を減らす長期的な戦略もつくっている」と明言。「米国内でもコストが生じるだろう。共和党も民主党もこれをやらなければならないと明確にしている」と話した。

米欧はウクライナに侵攻したロシアへの制裁について、燃料価格などの高騰につながりかねないとの懸念から、エネルギー産業を対象から外していた。歴史的なインフレに悩むバイデン政権も慎重な姿勢だったが、ロシアがウクライナ侵攻で攻勢を強める現状を踏まえて追加制裁が必要と判断したとみられる。

ブリンケン米国務長官は6日の米CNNのインタビューで「欧州の同盟国・有志国と協調してロシアから原油輸入を禁止する可能性について協議している」と表明した。米国内では原子力発電所など重要インフラや住宅地などへの無差別な攻撃を展開するロシアへの強硬論が議会で強まっていた。

バイデン氏に近い民主党下院トップのペロシ議長は3日、原油禁輸について「大賛成だ」と述べた。与野党の超党派の議員も同日にロシア産の原油輸入を停止させる法案を発表した。ロシアの主要な外貨獲得手段であるエネルギーの輸出を制限して経済を追い込む狙いがある。

米国がロシア産原油の禁輸に踏み込めるのは、ロシア産の原油輸入量が少ないという事情がある。米エネルギー情報局(EIA)によると、米国が2021年に輸入した原油に占めるロシア産の割合は3%台で、同年12月単月では1%台まで減らした。一方、欧州連合(EU)は原油輸入量の3割弱をロシアに頼る。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によると、ロシア産原油輸出全体に占める米国向け比率は2020年時点で2.3%にとどまる一方、欧州向けは約5割を占める。

英国は欧州内ではロシア産原油の輸入が多くないこともあり、ジョンソン首相はロシアの侵攻直後に「ロシアの石油やガスへの依存を、集団的にやめねばならない」と指摘。西側諸国で結束してロシアへのエネルギー依存を減らす必要性を訴えていた。

ただドイツのショルツ首相は7日、ロシアからのエネルギー輸入が当面必要だとする声明を公表した。声明では「欧州が意識的にロシアからのエネルギー調達を制裁の例外にした」と指摘。欧州のエネルギー供給について「現時点ではほかの方法で確保することができない」と記した。ロシアへの依存は段階的に低下させる方針とみられる。

バイデン政権は原油価格の高騰を和らげるため、別の産油国からの調達に動き始めた。5日には南米ベネズエラへの経済制裁の一環で停止している同国産原油の輸入再開を協議した。19年に当時のトランプ政権が制裁を発動してベネズエラからの原油輸入を制限している。

米ニュースサイト「アクシオス」はバイデン政権と関係がぎくしゃくするサウジアラビアにも増産を働きかけると報じた。

【関連記事】

Adblock test (Why?)



2022-03-08 18:18:48Z
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiPGh0dHBzOi8vd3d3Lm5pa2tlaS5jb20vYXJ0aWNsZS9ER1haUU9HTjA4Q1gxMFkyQTMwMEMyMDAwMDAwL9IBAA?oc=5

No comments:

Post a Comment