ウクライナのゼレンスキー大統領が、23日に日本の国会でリモート演説をした約5時間後、ウクライナ国営通信「ウクルインフォルム」の日本語版を編集する平野高志さん(40)は演説の全文を日本語訳して配信した。ウクライナ大統領府広報室が公開した原文は、「一文の情報量が多く同時通訳泣かせの文章」だったという。
現在もウクライナ国内で生活をする平野さんに、演説を振り返ってもらった。
――在ウクライナ大使館に勤務し、通訳の経験もある平野さんから見て、23日の同時通訳はいかがでしたか。
破綻(はたん)なく重要なことがきちんと伝えられていたので、大成功だったと思います。日本語に訳しにくい文章がたくさんある中で、多くの人が感動するような演説をきちんと伝えられていたので、私は非常に、高い通訳能力だったと思っています。
日本の国会で演説することが決まってから、通訳する方が「大変だろうな」という危惧はずっとありました。ウクライナ側が日本語のできる通訳者を用意するとなると、その数はかなり限られていると思います。20年くらい前までは、ウクライナ大統領が来日した時は、間に英語の通訳を挟んで通訳をしていたと聞いています。
そんな状況のなかで、「日本語訳がたどたどしい」と言うのは酷ですよ。
――どういう部分が日本語に訳しにくいのでしょうか。
英語の「which」や「that」のような関係代名詞や接続詞がウクライナ語にもあって、情報を後ろにどんどん重ねたい時に使える表現があります。ゼレンスキー大統領の最近の演説では、それが多用されています。
たとえば、「重要なことは、現在、戦争を起こすことで強力な罰が生じ、戦争は始めるべきではない、平和を破壊すべきでないということを、地球上の全ての侵略者、明らかな侵略者にも潜在的侵略者にも、確信させられるかどうかにある」という一文は、ウクライナ語だと、「重要なことは、確信させられるかどうかにある」から文章が始まるわけです。
日本語で「確信させられるかどうかにある」と先に言われたら、わけがわからない。いつこの一文が終わるのかわからないまま、次々と言葉がつながっていって、「確信させられるかどうかにある」を最後に言うということを忘れずに残しておくのは、かなりしんどいわけです。
似たような表現があと数回出てきますが、最近のゼレンスキー大統領の演説でよく出てくる強調表現なので、大統領かスピーチライターが好きなのだろうと思います。
――通訳者泣かせですね。ウクライナ語ならではの難しさもあるのでしょうか。
まずウクライナ語って、すご…
2022-03-25 04:00:00Z
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