22日午後11時25分ごろ、東大阪市長瀬町1の路上で、通行人の女性から「男性がバイクに引きずられ、出血している」と119番があった。男性は大阪府警布施署地域課の巡査部長(33)で、パトロール中に職務質問した人物のバイクに約2キロにわたり引きずられたとみられる。全身に擦り傷を負ったが、命に別条はない。バイクは巡査部長を振り切って逃走しており、府警は公務執行妨害の疑いで行方を追っている。
「痛い、痛い」とうめき声
バイクを追跡した会社員の男性(28)が毎日新聞の取材に応じ、目撃した事件の一部始終を証言した。巡査部長は装備品がバイクに絡まったような状況で引きずられていた。ズボンはボロボロに破れ、出血で真っ赤に染まった左脚がむき出しになっていた。
男性は、三ノ瀬公園西側の交差点で職務質問されたバイクの後ろで信号待ちをしていた。バイクが急発進して警察官を引きずり始めたため、制止しようと追いかけた。追跡する姿は付近で独自に入手した防犯カメラ映像にも記録されている。
男性によると、バイクは大型のスクーターで、運転手はヘルメットをかぶっていたが、20代前半くらいの男に見えた。赤色のパーカを着てマスク姿だった。
運転手は交差点で信号待ちをしていた際、制服姿の警察官に声を掛けられていた。直後に急発進したため、警察官が運転手の腰付近にしがみついた。
男性は「止めないと」ととっさに考え、自分のバイクで後を追った。バイクは歩道を走ったり、蛇行運転したりしていた。警察官は路面に倒れながら引きずられていたという。装備品の一部がバイクに絡まって転倒した可能性がある。
男性はバイクが約2キロ先で警察官を振り落とした後も追跡したが、途中で見失った。警察官の元に戻ると、警察官は体を横向きにして倒れ、「痛い、痛い」とうめき声を上げていた。
一連の経緯を大阪府警にも証言した男性は「下手をしたら警察官が命を落としていたかもしれない。卑劣な犯人を早く逮捕してほしい」と話した。【砂押健太、小坂春乃、戸田紗友莉】
2022-04-23 02:53:00Z
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