【ワシントン=横堀裕也】ロシア軍が撤退したウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャで多数の民間人の遺体が見つかった問題で、キーウ周辺や東部スムイ州など他の地域でも、民間人の被害が次々と明らかになってきた。「戦争犯罪」の責任追及に向け、ウクライナ政府と欧州連合(EU)は、合同捜査チームを作ることで合意した。米国や欧州は、追加の対露経済制裁を近く発動する見通しだ。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は5日のビデオ演説で、民間人の被害は露軍が占拠していた広い範囲に及ぶとの認識を示した。ブチャだけで露軍に殺害・拷問された市民が300人超となり、同じくキーウ近郊にある人口約1万2000人のボロディヤンカの方が「被害者数は多い可能性がある」と語った。
ウクライナ最高会議(国会)の人権オンブズマンは5日、キーウ近郊イルピンでも2日、性的暴行や拷問を受けたとみられる10歳未満の子ども2人が死亡しているのが確認されたことを明らかにした。
このほか、ロシア軍が拠点としていたキーウ州のキャンプ施設では、後ろ手に縛られ5人が死んでいた。4人は後頭部を撃たれ、1人は頭蓋骨が折れていたという。東部スムイ州でも露軍の駐留地周辺で、拷問の末に殺害された民間人3人の遺体が見つかった。
2022-04-05 14:01:00Z
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