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Monday, April 11, 2022

伸ばし続け、手入れも欠かさず2年 男児2人がヘアドネーション「苦労している誰かに役立てて」 - 神戸新聞NEXT

 けがや病気で毛髪を失った子どもたちに、医療用ウィッグ(かつら)を無償で提供する「ヘアドネーション」。髪の提供者の多くは女性だが、兵庫県豊岡市の男児2人が腰の近くまで伸ばし続けた長髪を切り、ヘアドネーションを担う大阪のNPO法人に寄付した。2人は「苦労している人の役に立ってほしい」と、2年以上連れ添った髪への思いを込めた。(丸山桃奈)

 市立五荘小5年生の今井然君(10)と、大石レン君(10)。大石君が小2の時、新聞記事でヘアドネーションを知り、「困ってる子を助けたい」と決意した。母の由子さん(38)は、周囲にからかわれることを心配したが、本人は意に介さず、動画を見たり、ネットで調べたりして理解を深め、髪を伸ばし始めた。

 小2の終わりに、大石君に触発されて今井君も協力した。女の子に間違えられ、「なんで伸ばしているの」と聞かれたが、「そんなに気にしなかった」という。大石君は「一緒にやってくれる人が増えてうれしかった。2人だから安心して伸ばすことができた」と、照れながら話した。

 きれいな髪を保つため、毎日トリートメントを欠かさず、くしで髪をといた。寄付に必要な長さは31センチ以上。大石君は一足早く到達したが、今井君が要件を満たすのを待って、同市正法寺の美容室「グラスタ」で一緒に髪を切ることにした。オーナーの後藤章一郎さん(40)は「店では2020年ごろから興味を持つ人が増え、約300人が協力したが、男の子は初めて」と驚いた。

 今井君が最初にカットをし、大石君はそばで様子を見守った。ゴムで束ねた髪にまずはさみを入れたのはそれぞれの母親だった。その後はオーナーの手で、今井君は35センチを、大石君は42センチをばっさり。「気に入った」「気持ちよくて最高」。2人とも達成感に満たされた様子だった。

 今井君の母さつきさん(40)は「男の子の髪が長いと疑問に思う人が多いが、それだからこそ、ヘアドネーションを(多くの人が)知るきっかけになる」と意義づける。「この髪が誰かの役に立つんだね」と今井君。大石君は「髪を伸ばす以外にも人の役に立つことがあると思うので、今度は他のことに挑戦してみたい」と意気込んだ。

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