東京都内で、プラスチックストローがない牛乳パックを公立小中学校の給食で提供する市区町村が新年度、前年度に比べ10市区増えることになった。都や各自治体の要望を受けて大手の雪印メグミルク(本社新宿区)がストローなし容器導入に踏み切り、全体を押し上げた。
◆13.8トンのプラスチック削減
同社によると、都内で年間最大4600万本のストロー、13.8トンのプラスチック使用を削減できる計算になる。
都内には、伊豆諸島も含め計62市区町村がある。都教育庁は、このうち50市区町村を15の区域に分け、地域ごとに牛乳納入業者を決めている。各区域の具体的な自治体名について教育庁は「自治体により対応が異なる可能性がある」として公開していない。
同庁によると、22年度はストローなしが18市区町村、プラストローありが10市区、バイオマス素材を配合したプラストロー利用が22市区町村だった。
これに対し23年度は、10市区にプラストローありの容器で供給していた雪印メグミルクが、ストローを使わない紙パックに切り替えることになり、ストローなし自治体が28市区町村へと増えた。
◆都教育庁は入札参加条件に「環境配慮」
教育庁は23年度の業者選定で、入札参加の条件に「容器やストローにおけるプラスチック削減を始めとした環境配慮の取り組みを積極的に実施しているもの」との項目を追加した。一方、練馬区の小学4年生、堀越えりかさんは昨秋、ストロー廃止を訴えてオンライン上で約3万人分の署名を集め、今年2月に区長に提出した。
雪印メグミルク販売店企画グループ統括チームの武田幸士課長は取材に「都が環境問題に熱心に取り組んでいるというのは認識しており、それに応えたいと思った。署名提出も含めストローをなくしてほしいという声が、我々の紙パック開発の大きな後押しとなった」と話す。
教育庁の入札担当者は「数万人規模で使用するストローを減らすことは重要で大きな前進。さらにストローレスの取り組みが進むことを期待する。プラスチックによる海洋汚染など、環境問題を学んでほしい」と話す。堀越さんは取材に「ストローレスパックが増えるのはうれしいし、キャンペーンをやって良かった。都全体で変わってほしい」と答えた。
同社は神奈川県の9市町と千葉県の3市町にも牛乳を供給しており、ストローレス容器採用により、両県で最大年間計3780万本のストローが削減できるとしている。(小寺香菜子)
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2023-04-12 03:00:00Z
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