東京都江戸川区の住宅で今年2月、住人の男性を殺害したとして、警視庁は10日、現場近くにある江戸川区立松江第五中学校教諭の尾本幸祐容疑者(36)(東京都江東区大島)を殺人容疑で逮捕した。捜査関係者によると、男性の顔や首付近に刃物による約20か所の傷があり、警視庁は
発表によると、尾本容疑者は2月24日午後6時半頃、江戸川区一之江の派遣社員山岸正文さん(当時63歳)方で、山岸さんの顔や首を刃物で刺すなどして殺害した疑い。調べに対し、「事件には関わっていない」と容疑を否認している。
山岸さんは80歳代の母親と2人暮らしで、1階の玄関付近で血を流して倒れているところを母親が発見した。近隣住民が119番し、山岸さんは搬送先の病院で死亡が確認された。司法解剖の結果、死因は出血に伴う窒息だった。
捜査関係者によると、事件直後、山岸さんはナイフの柄の部分を握りしめていたが、刃の部分が見つからず、室内には土足痕があった。周辺の防犯カメラには、事件が起きた時間帯に黒ずくめの服装で近くを歩く人物が映っており、この人物の足取りを追跡した結果、現場から約170メートル離れた中学校に勤務する尾本容疑者が浮上した。
尾本容疑者は逮捕前の任意の事情聴取に「学校から駅に向かう途中、男性から『荷物を運ぶのを手伝ってほしい』と言われ、土足で家に入ったことがある」などと説明したという。
山岸さんの顔や首付近には刺し傷や切り傷が計約20か所あったほか、両腕には身を守る際にできたとみられる複数の切り傷も残っていた。午後6時過ぎに近所のスーパーで買い物をしたことが確認されており、警視庁は、何らかの目的で家に入っていた尾本容疑者と帰宅直後に鉢合わせした可能性があるとみている。
現場は都営新宿線の一之江駅から北西に約400メートル離れた住宅街。近所の60歳代女性は山岸さんについて「高齢のお母さんを献身的に支えていて優しい人だなと思っていた。穏やかに暮らしていたのに、なぜ狙われたのか」と話した。
2023-05-10 20:00:00Z
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