エジプトのカイロで21日、イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとの紛争をめぐる各国首脳会議が開催され、アラブ地域や欧州の首脳らが参加した。エジプトのアブドゥル・ファッターハ・アル・シーシ大統領は、パレスチナ人のシナイ半島への強制移住案に反対。この事態の唯一の解決方法はパレスチナ人の独立国家の建設だと述べた。
この会議はガザと境界を接するエジプトが呼びかけたもので、イスラエル・パレスチナ間の和平を模索するとともに、中東の広い地域の紛争を避けるために開かれた。
パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長や国連のアントニオ・グテーレス事務総長のほか、ヨルダン、カタール、スペイン、欧州連合(EU)、イギリスなどから20人以上の首脳や外相が参加した。一方、イスラエルやアメリカ、そしてハマスを支援しているイランは参加しなかった。
10月7日にハマスがイスラエルを攻撃して以来、イスラエルは報復措置としてガザ地区への空爆を続けるとともに、ガザ地区への燃料や食料、医薬品などの供給を停止。また、ガザ地区北部の住民に南部へ退避するよう勧告し、数十万人が家をなくした。
ガザ地区への人道支援を求める声が高まるなか、21日夜には支援物資を載せたトラック20台がエジプトとの境界にあるラファ検問所からガザ地区に入った。
ただしイスラエル側は、支援物資も南部に限定するとしている。
こうした中で開かれた「カイロ平和サミット」でシーシ大統領は、パレスチナ人がラファ検問所を越えてエジプトに避難することを許さないと述べた。
サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン・アル・サウード外相もこれに同調した。
パレスチナ自治政府のアッバス議長も、パレスチナ人が強制的に土地を追われることは許されないと述べた。
「我々は絶対に移住を認めない。どんな困難があろうとも我々の土地に残る」
イスラエルやアメリカの高官が不在の中での会議では、アラブ地域と欧州の意見の違いも浮き彫りになった。
AFP通信が取材したアラブ諸国の外交官は、欧州の代表らは「エスカレーションの責任をハマスに求める明確な非難」を要求したが、アラブ側の指導者らがこれを拒否したと述べた。
エジプトは最終的に、アラブ諸国の代表らに承認された声明を発表。世界の首脳らは「この紛争を管理しようとしており、恒久的な終結を求めていない」と批判した。
エジプトやアラブ諸国はこれまでも、パレスチナ難民の大量流入は、パレスチナ人をその領土から追放することに等しいため、受け入れられないとしてきた。
ヨルダンのアブドゥラ国王は、「イスラエルのガザ攻撃に対する世界的な沈黙」を非難。「パレスチナ人の命はイスラエル人よりも軽いというメッセージを、アラブ世界は受け取っている」と述べた。
他方、イギリスのジェイムズ・クレヴァリー外相は、イスラエルに対し、同国には国際法を尊重しガザ市民の命を守る義務があると伝えたと述べた。
「非常に難しい状況ではあるが、イスラエル軍に規律とプロ意識、そして抑制を求めた」と、クレヴァリー氏は付け加えた。
その上で、国際コミュニティーはガザでの状況が地域紛争を引き起こさないよう協力すべきだと語った。
ドイツのアナレラ・ベアボック外相は、「憎しみの炎を燃やしてはならない。それこそがハマスとそのスポンサーが求めていることだ」と述べた。
国連のグテーレス事務総長は、この戦争における「人道的停戦」を呼びかけ、「この恐ろしい悪夢を終わらせるための」世界的な行動求めた。
また、「必要な規模の援助が継続的にガザに届くことが重要だと述べた。
日本の上川陽子外相は、情勢の早期沈静化に向けた外交努力を倍加させるべきだと述べるとともに、「これが中東和平の道を閉ざすことになってはならない」とした
会議は共同宣言を出さずに閉会している。
7日のハマスによる攻撃で、イスラエルでは1400人が殺害された。イスラエルはまた、兵士300人以上が死亡したほか、200人余りが人質として連れ去られたとしている。
一方、ハマスが運営するガザ地区の保健当局は、イスラエルの空爆によって4300人以上が殺されたと発表。その半数以上が女性や子供だとしている。
2023-10-22 04:00:44Z
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