今回の震災では、不要不急の能登への移動自粛が呼びかけられ、SNSではボランティアが被災地に行くことを批判する声が広がりました。災害心理学が専門で、様々な被災地でボランティア活動をしてきた宮前良平さんは、「異様な広がりだった」と驚きます。話を聞きました。
今回の震災で驚いたのは、「行かないことが支援」という言葉が生まれたことでした。これまでも寄付など「行かなくてもできる支援」はありましたが、今回はさらに進化し、ボランティアとして現地に行くこと自体が批判されました。
これまでの災害でも、ボランティアを忌避する言説はありました。東日本大震災の際には、現地でトラブルがあった団体に対して「迷惑」という声はありましたし、私が当時通っていた大学でも「状況が分かるまでは行かない方がいい」と自粛が呼びかけられました。
コロナ下の2020年に熊本などを襲った豪雨災害では、当時のツイッターでの発信を分析すると、「感染対策が万全のプロ以外は行くべきではない」「自己満足だ」といった発信がありました。ボランティアは「規範逸脱者」というネガティブな印象が生まれていました。ですが、数は100件程度と少なかった。
「ルールを守れ」という正しさ
今回は、ボランティアへの自…
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2024-01-31 02:30:00Z
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