ロシアと国境を接するバルト三国の一つ、エストニアは1940年以降、およそ50年にわたって旧ソビエトに併合され、7万5000人を超える人が命を奪われたり強制移住させられたりしたとしています。
1991年の独立後もロシアに対する警戒感は強く、エストニアの情報機関は2月13日に公表した報告書で、ロシアがこの先数年で、エストニアとの国境近くに配置する部隊を侵攻開始前の2倍に増強する可能性を指摘しました。
エストニア軍は国内に駐留するNATO=北大西洋条約機構の多国籍部隊と演習を重ねていて、2月10日に行われた合同演習は厳しい寒さの中、国の南部から敵が侵攻してきたという想定で行われました。
エストニア陸軍第1歩兵旅団のアンドルス・メリロ司令官は「演習は実際の戦争に備えたものだ。ロシアに対する優位性を高めようとしている」と強調しました。
ロシアについて市民からは「これまではロシアに攻撃されるかどうかが問題だったが、いまの問題はいつ攻撃されるかだ」とか「エストニアはロシアとヨーロッパの緩衝地帯のようなものなので攻撃を受けやすい。とても懸念している」などという声が聞かれました。
エストニアはウクライナがロシアに負ければ自国にとっての脅威がさらに増すと考え、ウクライナに対する軍事支援を積極的に行ってきました。
これまでの軍事支援はりゅう弾砲や対戦車ミサイル、対戦車地雷など5億ユーロ、日本円でおよそ800億円に上ります。
GDP=国内総生産に占める割合は1.4%でEU=ヨーロッパ連合のなかでもっとも高い国の一つです。
エストニアはいま、EU加盟国をはじめ欧米諸国に毎年、GDPの0.25%をウクライナへの軍事支援に充てるよう呼びかけています。
2024-02-21 09:27:53Z
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