「旧優生保護法」は戦後の出産ブームによる急激な人口増加などを背景に1948年に施行された法律です。
法律では精神障害や知的障害などを理由に本人の同意がなくても強制的に不妊手術を行うことを認めていました。
当時は親の障害や疾患がそのまま子どもに遺伝すると考えられていたこともあり、条文には「不良な子孫の出生を防止する」と明記されていました。
旧優生保護法は1996年に母体保護法に改正されるまで48年にわたって存続し、この間、強制的に不妊手術を受けさせられた人はおよそ1万6500人、本人が同意したとされるケースを含めるとおよそ2万5000人にのぼるとされています。
国は「当時は合法だった」として謝罪や補償を行ってきませんでしたが、不妊手術を受けさせられた女性が国に損害賠償を求める裁判を起こしたことなどを受けて、2019年旧優生保護法のもとで不妊手術を受けた人たちに一時金を支給する法律が議員立法で成立、施行されました。
この法律は本人が同意したケースも含め、不妊手術を受けたことが認められれば一時金として一律320万円を支給するとしています。
国のまとめによりますとことし5月末までに1331人が申請し、このうち1110人に一時金の支給が認められたということです。
一方、今月3日の最高裁判所大法廷の判決では、弁護士費用も含めて一時金の額を大きく上回る最大で1650万円の賠償命令が確定しました。
最高裁はこれまでの政府や国会の措置について「国会で適切、速やかに補償の措置を講じることが強く期待されたが、一時金320万円を支給するのにとどまった」と厳しく指摘しています。
2024-07-17 10:02:54Z
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