
ポンペオ米国務長官はロシアを※避難した=AP
【ワシントン=中村亮、モスクワ=小川知世】トランプ米政権は21日、批准国の軍事施設を上空から相互に査察できる領空開放(オープンスカイ)条約から離脱すると発表した。22日に批准国に通告する。ロシアが一部の地域で査察飛行を制限し、条約違反が是正されていないと判断した。米ロの安全保障をめぐる対立が深まり、世界的な軍縮の流れが一段と後退する恐れがある。
オープンスカイ条約の批准34カ国は非武装の航空機で相互に軍事施設や紛争地域の様子を撮影できる。関係国が1992年に署名し、2002年に発効した。冷戦期に広がった米ロの相互不信を和らげる目的で条約が結ばれた経緯があり、米国の離脱は安保をめぐる米ロの溝が拡大していることを意味する。正式な離脱は批准国への通告から6カ月後に実現する。
ポンペオ国務長官は21日の声明で「ロシアは自分たちの意思で条約を順守したり停止したりできるかのように振る舞ってきた」と非難した。トランプ大統領もホワイトハウスで記者団に対し「ロシアが条約を順守していない」と批判した。一方で「新たな合意をしたり、条約を復活させたりするチャンスが大いにある」とも語り、ロシアとの軍縮協議に意欲も示した。
米国はロシアがポーランドとリトアニアに挟まれた飛び地カリーニングラードでの査察飛行を制限していると批判した。同地は欧州全域を射程に収める中距離ミサイルの配備先になるとの見方があり、米国が警戒を強めている。親ロシア派が実効支配するジョージア領南オセチアなどでの査察制限も問題視してきた。
一方、ロシアは米国による違反の指摘に反発している。タス通信によると、外務省のエルマコフ不拡散・軍備管理局長は21日、「全く根拠がない」と反論した。米国が過去にもロシアの違反を軍備管理条約から離脱する口実にしてきたと主張し、「ロシアにはプランBがある」と米国が離脱した場合に対抗策を講じる用意があると示唆した。
ロシアが米国に反発し離脱すれば条約の実効性はなくなる。欧州諸国は軍拡に歯止めがかからなくなる事態を警戒し、ロシアに条約違反の是正を促し米国にも残留を求めてきた。19年8月には米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効し、欧州ではロシアの脅威が高まった。米国の離脱は米欧関係の悪化に拍車をかけるのは確実だ。
米ロの相互不信は21年2月に期限切れを迎える新戦略兵器削減条約(新START)の延長交渉にも悪影響を及ぼす可能性がある。ロシアは無条件での条約延長に前向きな姿勢を示すが、米国はあらゆる核戦力を条約の制限対象として中国も参加すべきだと主張している。米政権はロシアとの交渉を近く本格化させる方針だが協議は難航しそうだ。
2020-05-21 15:36:34Z
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