2020年のゴールデンウイーク前後に、楽天を含む携帯電話4社の決算が発表された。各社の決算説明会の様子などから、携帯電話業界における新型コロナウイルスの影響が明確に見えてきた。最も影響を受けるとみられるのはどの企業なのだろうか。
固定回線へのオフロードでデータ通信はあまり増えず
2020年も例年と同様、ゴールデンウイーク前後にかけて携帯電話大手3社の2019年度通期決算が出そろった。また「楽天モバイル」で携帯電話事業に本格参入した楽天も、2020年5月13日に2020年度第1四半期の決算を発表している。
各社の決算内容を見ると、分離プランの導入が遅かったNTTドコモは、2019年10月の電気通信事業法改正の影響を受ける形で減収減益となったものの、先んじて分離プランを導入していたKDDIとソフトバンクは増収増益を確保。また楽天は、モバイル事業を中心とした先行投資などで大幅な赤字決算となるなど、4社それぞれの事情が反映された決算となった。
だが各社の業績以上に注目されたのは、やはり新型コロナウイルスの影響である。今回の決算の対象となる2020年1〜3月だけでなく、国内で感染が大幅に増え緊急事態宣言が発令された2020年4月以降の動向も含め、各社は新型コロナウイルスが現在そして今後もたらす影響について決算説明会で説明していた。ただ、モバイル通信という視点に絞って見た場合、意外にも各社ともそれほど大きな影響が出ているわけではないようだ。
外出自粛により自宅で過ごす人が増え、テレワークが急増したことからビデオ会議や動画サービスの利用が増えるなどしてモバイルデータ通信のトラフィックが大きく伸びている印象を受ける人も多いかもしれない。だがその大半が自宅での通信となるため、スマートフォンでもWi-Fiで通信するなど、大幅に増えるのは固定回線の利用である。外出が減ったことでむしろ外でのモバイル通信の利用自体は減っていることから、実はモバイルのデータ通信はあまり増えていないと各社は説明する。
一方で、テレワークなどでコミュニケーション利用が増加し、音声通話の利用は大きく伸びているとのこと。ただ音声通話に関しては、通話し放題になる定額料金プランやオプションなどが既に存在するため、通話の増加が売り上げに大きく貢献するわけでもないようだ。
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May 29, 2020 at 03:00AM
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