北朝鮮と韓国の軍事境界線付近で3日朝、両国による銃撃戦が発生した。北朝鮮を巡っては、健康不安説が流れていた金正恩(キム・ジョンウン)委員長が約3週間ぶりに公の場に姿を見せたと伝えられたばかりだった。
韓国軍合同参謀本部の声明によると、現地時間午前7時41分、北朝鮮から韓国側の監視所に向けて複数の銃撃があった。韓国は2発を発射して応戦。負傷者は報告されていない。
同日、記者団に状況を説明した参謀本部高官によると、今回の銃撃は農地で発生しており、北朝鮮側の意図的な挑発行為とは思われない、という。同高官は、標的を狙う視野もなく、霧の中で行われ銃撃であり、果たして「明確な挑発と考えられるだろうか」と疑問を呈した。しかし、明確な結論には触れなかった。
韓国シンクタンク、峨山政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長は、今回の銃撃は挑発かどうかはっきりせず、タイミングを考えると、むしろ金委員長が北朝鮮の軍部を依然として取り仕切っていることを示す目的があったのではないか、と指摘する。
「金氏は昨日、自身が全く健康であることをみせつけようとし、きょうは自身が軍部のコントロールを失ったという憶測をすべて打ち消そうとしていた」と分析。「自分は健康であり、いまだに権力の中心にあることをわれわれにあらためて認識させる狙いがあったのだろう」と語った。
*内容を追加しました。
[ロイター]
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