神戸港の六甲アイランド、ポートアイランドを結ぶ港湾道路「ハーバーハイウェイ」の夜間通行料の徴収漏れが、記録が残る2015~19年度の5年間だけで少なくとも約7億円に上ることが、神戸市への取材で分かった。市は約20年間、自動料金収受システム(ETC)や徴収機を設置せず、無人の料金所の「スルー」が常態化。センサーで通行量を把握しながら、対策を取ってこなかった。(伊田雄馬)
■夜間無人の料金所「スルー」常態化
ハーバーハイウェイは1997年に全線開通し、新港-高羽ランプ間の約10・5キロをつなぐ。中央の摩耶ランプを境に東西区間に分かれ、料金は全車種1区間110円、2区間210円に設定されている。
料金徴収は2区間の場合は本線上の料金所、1区間の場合は東西区間の各出入り口で係員が行うが、各出入り口は午後8時~午前8時は係員がいなくなる。この間は料金所に置かれた鉄製の箱に料金を投入する。
市港湾局によると、10月の夜間、東区間の出入り口を約11万台が通過したが、徴収額は約2万6千円。全車から徴収した場合と比べると、ひと月で約1200万円の損失だった。本年度(4~9月)、料金を払った車は約500台に1台だった。利用台数がはっきりしない西区間の出入り口でも、数万台が料金を払わず通過しているとみられる。
開通当初は夜間も料金所に係員がいたが、「通行量が少なく、費用対効果が見込めない」との判断から、00年から無人になったという。その後、徴収の強化や不正通行の追跡に乗り出すことはなく、監視カメラも設置されていない。
市港湾局は「赤字を出さないという面から、設備や人件費に新たな投資をせず、現在の運用が合理的と考えてきた」としている。22年度までに、全ての料金所でETCを導入する方針という。
公共施設のマネジメントに詳しい東洋大学の南学客員教授は「物流が24時間化し、夜間の交通量は増えているのに、役所が前例踏襲が基本の組織であることがこのような結果を生んだ。税金で造られた道路だけに、市民への説明が必要だ」と指摘する。
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2020-12-01 23:25:00Z
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