死刑囚として初めて再審無罪、免田栄さん９５歳で死去 - 読売新聞

死刑囚として初めて再審無罪、免田栄さん９５歳で死去 - 読売新聞

　死刑囚として国内で初めて再審無罪となった免田栄（めんだ・さかえ）さんが５日午前１１時５５分、老衰のため、福岡県大牟田市内の高齢者施設で死去した。９５歳だった。

　熊本県出身。１９４８年１２月、同県人吉市で祈とう師一家４人が襲われ、夫婦２人が殺害、娘２人が重傷を負った事件で、翌年１月、強盗殺人容疑で逮捕された。

　犯行を自白したなどとして起訴され、１審・熊本地裁八代支部の公判で「自白は強制された」と主張。同地裁支部が５０年、死刑判決を言い渡し、最高裁の上告棄却で５２年に確定した。

　無罪を訴え続け、６度目の再審請求で福岡高裁が７９年、再審開始を決定した。再審公判で熊本地裁八代支部は、逮捕から３４年後の８３年、事件当夜に飲食店に宿泊したとのアリバイを認め、自白も信用できないとして無罪を言い渡した。

　免田さんの再審無罪以降、８０年代に財田川、松山、島田各事件で死刑囚の再審無罪が続いた。

　免田さんは釈放後に結婚。大牟田市で暮らし、冤罪（えんざい）体験を講演などで伝え、死刑制度の廃止を訴えた。

　告別式は近親者で行う。喪主は妻、玉枝（たまえ）さん。

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2020-12-05 12:05:00Z
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