イギリスのボリス・ジョンソン首相は4日、国内で新型コロナウイルスの変異株が拡大する中、イングランドで5日から2月中旬まで新たなロックダウンを実施すると発表した。住民は特定の理由を除き、外出ができなくなる。
5日から始まるロックダウンでは、学校は閉鎖となり、ほとんどの生徒がリモート学習に切り替わる。
ジョンソン首相はロンドン・ダウニング街の首相官邸から演説し、感染者や入院患者が急増する中、今後数週間は「これまでで最も困難な状況」になるだろうと警告した。
首相はさらに、新しいロックダウンの規則に速やかに従うよう市民に求め、イギリスが新型ウイルスとの「闘いの最終段階」に突入していると考えていると付け加えた。
国内の病院については、「パンデミック開始以降のどの段階よりも、新型ウイルス感染症の影響を多く受けている」状況だと説明。「自宅に留まり、国民保健サービス(NHS)が逼迫(ひっぱく)しないようNHSを守り、自分や他人の命を守る」というパンデミックの初期に使用していたスローガンを繰り返した。
イングランドのロックダウン発表に先立ち、スコットランドは自宅待機命令を発令。ウェールズはほとんどの生徒を対象に、学校を18日まで閉鎖すると発表した。
北アイルランド政府は各学校が「リモート学習を延長」すると発表した。
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ジョンソン氏はワクチン接種の優先順位について、介護施設の全入居者と介護者、70歳以上の全ての高齢者、最前線で働く医療・介護従事者、重症化リスクが極めて高い人の計4グループが、来月半ばまでに1回目の接種が受けられるとした。
約1390万人が2月15日頃までにワクチン接種を受ける4グループに該当すると、ワクチン担当相のナディム・ザハウィ氏は説明した。
イギリスでは4日、新たに5万8784人の感染を確認した。新規感染者が5万人を超えるのは7日連続。
新たに407人がウイルス検査で陽性判定が出てから28日以内に死亡したが、スコットランドでは死者は確認されていない。
最新データによると、現地時間4日午前8時の時点で、イングランドの病院に入院中のCOVID-19(新型ウイルスの感染症)患者は2万6626人。前週より30%増加しており、過去最高を更新した。
ジョンソン首相は、重症化リスクが極めて高い人には手紙で通知するので、今一度防御すべきだと述べた。
サポート・バブル(安全圏)や育児バブルについては、新規制のもとでも継続される。また、屋外で運動する場合に他世帯の1人とだけ会うことができる。
礼拝や葬儀、結婚式などは出席人数の制限を条件に、引き続き実施できる。
ジョンソン氏は今夏の学年末試験は通常通り行われないとしつつ、代替案を後日発表すると述べた。
新規制に関する採決を行うため、下院議会は6日に召集される。
最大野党・労働党のサー・キア・スターマー党首は、同党議員は「措置全体を支持する」だろうとし、「我々はこれが機能するように全員で団結している」と述べた。
イングランドでの新ルール
- 昨年3月の最初のロックダウンと同様に、住民は特定の理由を除き自宅を出られない
- 特定の理由に含まれるのは、必要不可欠な医療、食料品の購入、運動、在宅勤務が困難な人の通勤など
- 全ての学校は5日からほとんどの生徒を対象に閉鎖され、2月中旬までリモート学習に切り替わる
- 保育園など幼児向け施設は継続
- 今夏の期末試験について、通常通りの実施はない
- ほかの場所では、大学生はキャンパスに戻らずオンライン授業を受ける
- レストランはデリバリーを継続できるが、アルコールの持ち帰り販売は禁止
- ゴルフ場、テニス・コート、屋外ジムなどの屋外スポーツ施設は閉鎖しなければならない
- 屋外の児童遊園は継続
- アマチュアの団体競技は禁止だが、サッカーのプレミアリーグなどプロ競技は継続できる
感染者の増加に対応できなくなる恐れ
ジョンソン氏の発表に先立ち、イギリスの首席医務官らはCOVID-19の警戒レベルを最も高いレベル5に引き上げるよう推奨していた。
レベル5は、NHSがこれ以上の持続的な感染者の増加に間もなく対応できなくなる可能性があることを意味しているという。
NHSの各地医療機関を代表する組織「NHSプロヴァイダーズ」は、病院は「重大局面」にあり、「迅速かつ断固とした行動」が必要だと述べた。
これまでより厳格な措置を発表したスコットランドのニコラ・スタージョン自治政府首相は、「これほど現状を心配するのは、昨年3月以来のことだ。決しておおげさに言っているのではない」と危機感を示した。
感染対策
からの記事と詳細 ( 英首相、イングランドに3度目ロックダウン 感染急増で「最も困難な状況に」と警告 - BBCニュース )
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