5年間も伸ばし続けた“宝物”だった。福岡県久留米市の小学2年、阿南恵璃花(えりか)さん(8)が12日、ヘアドネーション団体「JHD&C」(大阪府)に寄贈するため、黒髪をばっさり切った。がん治療などで髪を失った子どもたちに医療用ウィッグ(かつら)を提供するヘアドネーションを知ったのは3歳の時。以来「私の髪をあげたら喜んでくれるかな」という思いと、お姫さまへの憧れから大事に伸ばしてきた。 【写真】身長135センチの恵璃花さんの腰まで伸びていた髪 恵璃花さんは身長135センチで、髪の毛の最も長い部分は77センチ。お尻まで届いた髪はこの日、市内の美容院で肩ほどに切りそろえられた。鏡をのぞき込むと「軽くなった」とはにかんだ。 母親の裕美さん(41)によると、恵璃花さんはディズニー映画のキャラクター「ラプンツェル」の長い髪に憧れてきた。同時に、ヘアドネーションを紹介するテレビ番組が印象に残った様子で、一度も髪を切らせず、折に触れて「髪の毛あげたいな」と口にしていたという。
長い髪を保つには苦労もあった。トイレでは便座に付かないように髪を体の前で束ね、洋服に包む。10~15分かけて洗うのは裕美さんの役目。乾燥にも時間がかかる日々だったが、親子で大切にしてきた。 「そろそろ(髪を)あげたい」。今年に入って恵璃花さんが決意した。寄贈方法を調べる中でJHD&Cにたどり着いた。裕美さんは「本当に寄贈を言い出すなんて思っていなかった。コミュニケーションの一環だった洗髪が無くなるのはちょっぴり寂しい」と笑う。 毎年2月15日は、国際小児がんの会が患者への理解と支援を呼び掛ける「国際小児がんデー」。抗がん剤治療などでウィッグを待つ子どもは少なくない。一つのウィッグに多くの人の頭髪が必要だと知り「この取り組みをもっと知ってほしい」と話す恵璃花さん。「大人になったらラプンツェルになるから髪の毛はあげられない。それまでは寄贈を続けたい」。もう一度、髪を伸ばそうと決めている。 (玉置采也加)
ヘアドネーション
がん治療や事故などで髪を失ったり、生まれつき髪が少なかったりする子どもたちに、寄贈された頭髪を使って医療用ウィッグ(かつら)を作り、無償提供する活動。JHD&Cでは、提供を待つ子どもたちが全国に約600人いる。
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