【ニューヨーク=白岩ひおな】ミャンマーでクーデター前から国連大使を務めるチョー・モー・トゥン氏は26日、ミャンマーの人権状況に関する国連総会の会合で演説した。「ミャンマー軍に対し行動を起こすため、あらゆる手段を使うべきだ」と述べ、国軍が起こしたクーデターの終結を訴えた。選挙で国民に選ばれた民主政権を代表する立場として、国際社会に強力な行動を求めた。政府当局者が、全権を掌握した国軍を非難する異例の演説となった。
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チョー・モー・トゥン氏は「軍事クーデターを直ちに終わらせ、罪のない人々への弾圧を止め、国家権力を人々に返して民主主義を回復するため、国際社会のさらなる強力な行動が必要だ」と強調した。演説終盤には抗議の意思を示す3本指のサインを掲げ、会場からは拍手が起きた。国軍は国家顧問として国民民主連盟(NLD)の政権を率いた民主化指導者アウン・サン・スー・チー氏を訴追した。欧米など各国は国軍を正当な政権として認めず、米英などは国軍幹部への独自制裁に踏み切った。
ブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)は演説に先立ち「いかなる国もミャンマーの独裁政権を認めたり正当化したりすべきではない」と表明した。国軍による人々の弾圧は「残酷で非人道的だ」と非難し「迅速かつ集団的に行動すべきだ」と呼びかけた。国連安全保障理事会は4日、国軍による非常事態宣言とスー・チー氏らの拘束に「深い懸念を表明する」との報道声明をまとめたが、クーデターの非難声明や実効性のある措置の決定には至っていない。
トーマスグリーンフィールド米国連大使は「全加盟国に対し、あらゆる手段を用いて、ミャンマーの人々に対する暴力は許されないと軍部に伝えるよう促す」と述べた。英国のウッドワード国連大使は総会後の記者会見で「ミャンマーの同僚の勇気に敬意を表したい。国際社会はミャンマーに民主主義を回復させる努力を続ける」と述べ、さらに制裁の動きが広がることにも期待を示した。日本の石兼公博国連大使は「民主化プロセスに逆行するいかなる行動にも反対する」と語った。
ミャンマー国軍と関係の深い中国など、加盟国の間にも温度差がある。中国の張軍国連大使は「国際社会はミャンマーの主権を尊重し、緊張の激化を避けるべきだ」と語った。ロシアも内政干渉を避けるべきだとの立場を崩していない。
2021-02-26 22:44:40Z
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