【ワシントン=住井亨介】米国の情報機関を統括する国家情報長官室は26日、2018年のサウジアラビア人反体制記者、ジャマル・カショギ氏の殺害事件に関する報告書を公表し、サウジのムハンマド皇太子が殺害を承認していたと結論づけた。
サウジで実権を握る皇太子に対し、何らかの措置を求める声が米国内で高まるのは必至で、両国関係の冷却化も予想される。
報告書は、皇太子が17年以来、サウジの治安当局を完全に掌握する一方で、「カショギ氏を王国にとっての脅威とみなしていた」と指摘した。
さらに「この種の作戦を皇太子の許可なしにサウジ当局者が実行するとは到底思えない」とし、「皇太子はカショギ氏を拘束するか殺害するかの作戦を承諾していた」と結論づけた。
カショギ氏は米国在住で、サウジ王室に批判的だった。
また、ブリンケン米国務長官は26日、記者殺害事件や海外の反体制派脅迫に関わったサウジ人76人に対し、ビザ(査証)発給を制限すると発表。米財務省は、殺害事件の首謀者として、元情報機関幹部らを独自の制裁対象に指定した。
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サウジアラビア人記者殺害事件 在米のサウジ人記者ジャマル・カショギ氏が2018年10月2日、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館でサウジ当局者らに殺害された事件。当初サウジは関与を否定したが、その後間接的に計画性を認めた。サウジとトルコで計30人超が起訴され、サウジでは3人が無罪、8人が禁錮20~7年の「最終判決」を受けた。米政府は18年11月、サウジ政府高官ら17人への制裁を発表したが、ムハンマド皇太子は対象外となった。(共同)
2021-02-26 23:11:00Z
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