オオカミの中でも犬に近い遺伝情報を持つのはニホンオオカミとする研究結果を、総合研究大学院大の寺井洋平助教(分子進化学)らのチームがまとめた。共通の祖先を持つ犬とオオカミは東アジアで分岐した可能性が高いという。
ニホンオオカミは1905年の捕獲記録を最後に絶滅したとされる。チームは民家などに保存されていたニホンオオカミの頭骨の標本からDNAを採取し、ユーラシア大陸や北米大陸、北極圏などに分布する、現存と絶滅を含む約20種類のオオカミのゲノム(全遺伝情報)とともに調べた。
犬とニホンオオカミは、ユーラシア大陸などに生息するハイイロオオカミと同じイヌ属に分類されるが、他のオオカミと比べても、ニホンオオカミが最も犬に近かったという。犬とニホンオオカミの祖先は、すでに絶滅した共通のオオカミから生まれた兄弟姉妹の関係にあったとみられる。
犬は人が最初に飼いならした動物で、旧石器時代の4万~2万年前にオオカミを家畜化したとされるが、起源については中東説や中央アジア説など諸説がある。
寺井助教は「アジアの遺跡などでオオカミの骨が見つかりゲノム解析できれば、さらに理解が深まる」と展望を話している。
菊水健史・麻布大教授(動物行動学)の話「オオカミと犬のゲノムを網羅的に解析することで、犬の起源に迫った研究だ。人に従順で共存できる能力を獲得した犬が誕生した地域もアジアの可能性がある」
からの記事と詳細 ( ニホンオオカミ、犬に最も近く…共通の祖先から東アジアで枝分かれか - 読売新聞 )
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