新型コロナウイルスのオミクロン株は、2メートルのソーシャルディスタンス(社会的距離)を取っていても、マスクをせずに15分の会話をすると最大60%の確率で感染することが、スーパーコンピューター「富岳」を使った分析で明らかになった。デルタ株の40%と比べて確率が高く、感染対策の徹底が求められそうだ。富岳を運用する理化学研究所などの研究チームが2日発表した。
「第6波」で猛威を振るうオミクロン株は、デルタ株と比べ感染力が1・5倍と仮定して分析。マスクをしていても、50センチ以内の距離で15分会話すると20~30%の確率で感染するとの結果が出た。
マスクをせずに1メートルの距離で1時間の会話をした場合は、オミクロン株でもデルタ株でも感染確率はほぼ100%に達した。会食などでテーブルを囲み長時間の会話をすると、リスクが非常に高いことを示しており、これまでの対人距離や会話時間などの対策が十分なのか見直す必要がありそうだ。
最近は子供が学校などで感染してウイルスを家に持ち込み、家庭内で感染が拡大するケースが増えている。理研チームリーダーで神戸大教授の坪倉誠氏は、子供たちが近距離で会話をする可能性がある休み時間のリスクが高いと指摘。「マスクをしていても15分会話すればリスクは上がる。15分ずつの休み時間が積み重なれば、1日のリスクも大きくなる」として、休む時間を細分化したり、合計時間を減らす工夫が考えられるとした。
一方、小規模な飲食店で飛沫(ひまつ)が広がる様子をシミュレーションし、機械換気やエアコン、調理場の換気扇、パーティションの効果を検証。全ての対策を取ると、法令で定める機械換気だけの場合と比べ感染リスクは3分の1程度に下がることも分かった。
2022-02-02 06:48:30Z
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