望まない妊娠をした女性が事実上、匿名で出産できる「内密出産」に独自に取り組む熊本市の慈恵病院は4日、内密出産を希望する西日本の10代女性が2021年12月に産んだ子供について、母親である女性の名前を記載せずに市に出生届を提出する方針を決めた。受理されれば、国内初の内密出産の事例となる。
慈恵病院は19年12月、孤立出産を防ぐ目的で、病院の新生児相談室長にのみ身元を明かすのを条件に匿名での出産を受け入れる「内密出産」を導入した。
病院によると、女性は21年11月に「出産を親に知られたくない」と病院にメールで相談。12月に来院して、新生児相談室長にだけ身元を明かして出産した。その後は血縁のない養親夫婦に実子として育ててもらう特別養子縁組を申し出て退院し、子供は2月初旬に病院から乳児院に移った。
日本の法制度は内密出産を想定しておらず、病院は身元を明かすよう説得を続けた。だが、女性が2月に入って「病院が出生届を出してほしい」との意思を示したため、病院が母親の名前を記さずに出生届を提出することを決めた。女性は自らの身元情報について「子供が18歳から20歳になったら開示してほしい」と話しているという。
戸籍法は、出生から14日以内に親が市区町村に出生届を出さなければならないと定めているが、親が提出できない場合は、出産に立https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20210521/pol/00m/010/002000cち会った医師らが出すことになる。
病院は、出産に立ち会った蓮田健院長が母親の名前を記載せずに出生届を提出した場合に公正証書原本不実記載罪に問われるかを、熊本地方法務局に文書で確認中で、2月中の回答を求めている。病院は回答を踏まえ、出生届を出す方針。
記者会見を開いた蓮田院長は「内密出産は混沌(こんとん)としている状況だが、立ち止まるわけにはいかない」と話した。一方、熊本市子ども政策課の光安一美課長は取材に「対応を協議する」と答えた。
内密出産を巡っては、生まれた子供の戸籍の取り扱いなどについて、法務省が20年7月に「仮定の事実に基づいて、回答することは困難」との見解を示した。これを受けて、市は「内密出産が現行法上、適法とは言い難い」として病院に実施を控えるよう求めていた。【栗栖由喜、中村園子】
2022-02-04 02:27:25Z
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