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Saturday, July 30, 2022

山上容疑者は「完全にノーマーク」、ローンウルフは黙々と凶器を作り続けた - 読売新聞オンライン

山上容疑者は「完全にノーマーク」、ローンウルフは黙々と凶器を作り続けた - 読売新聞オンライン

 安倍晋三・元首相が銃撃されて死亡した事件は、組織に属さない人物による「ローンウルフ(一匹 おおかみ )型」の事件を防ぐ難しさを改めて浮き彫りにした。背景には社会的な孤立もあり、専門家は警察と行政が連携して対応を強化する必要性を指摘している。

 「これほどまで周到に準備していたとは」。警察幹部は驚きを隠さなかった。複数の手製銃、自ら作った火薬、工具類……。山上徹也容疑者(41)の自宅から見つかった押収品だ。6畳のワンルームで、誰にも気づかれずに黙々と凶器を作り続けていた。

 捜査関係者によると、山上容疑者は母親が入信した宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」を恨み、つながりがあると思った安倍氏の殺害を計画。ネットで買った肥料などを調合して火薬を作り、動画投稿サイト「ユーチューブ」で製造法を調べて手製の銃を作り上げていた。

 元海上自衛官で、過激派や右翼団体などへの所属は確認されていない。警察にとって「完全にノーマーク」(警察幹部)の人物だった。

 「個人がひそかに武器を製造し、人知れずある日突然犯行に及ぶ。典型的なローンウルフ型だ」。テロ対策に詳しい公共政策調査会の板橋功・研究センター長(62)はそう話す。

 警察は従来、過激派などを監視することで、政治家や重要施設などを狙うテロを阻止してきた。選挙期間中であれば、過激派メンバーらの顔を知る「面割り捜査員」を演説会場に配置し、警戒に当たってきた。

 だが近年、組織に属さないローンウルフ型の容疑者が目立ち、兆候をつかむのが難しくなっている。

 「ゲリラ戦 とりあえず1人で活動……ローンウルフだ」

 2015年4月に放射性物質を積んだドローンを首相官邸の屋上に落下させた男(威力業務妨害罪などで有罪)は、ブログにそうつづっていた。男は「反原発」に傾倒していたが、市民グループなどに所属せず、デモへの参加も確認されていなかった。

 男は事件発覚2日後に自ら警察に出頭した。捜査に関わった警視庁幹部は「出頭まで男の存在を全く把握できなかった。ローンウルフ対策を強化する必要性を痛感した」と明かす。

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2022-07-31 00:16:43Z
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