リアリティーチェック・チーム、BBCニュース
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が21日、約2時間にわたり国民に向けて演説した。
その中でプーチン氏は、ウクライナでの戦争に関してさまざまな主張を展開。西側諸国を強く批判した。
それらの発言のいくつかについて、妥当なのか調べてみた。
「ウクライナで2014年以降にネオナチ政権がつくられた」
プーチン氏はウクライナ侵攻を正当化するため、同国に「ネオナチ政権」ができていると、根拠のない主張を続けている。
2019年にあったウクライナの前回の議会選挙では、極右候補の支持率は2%で、他の多くの欧州諸国よりはるかに低かった。
また、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はユダヤ系で、その家族がホロコーストで死亡していることにも留意すべきだろう。
それでも、有名な「アゾフ連隊」など、ウクライナには極右グループが存在するのは事実だ。その一部は、ナチスのイデオロギーへの支持を表明している。
アゾフ連隊は、ロシアの支援を受けた分離主義勢力が2014年にウクライナ東部地域を制圧したことを受け、それに対抗するため結成された。その後、ウクライナ軍の部隊として吸収された。
「ウクライナ軍の旅団が(中略)エーデルワイスという称号を受けた。ヒトラーの師団のようだ」
プーチン氏のこの発言は、ウクライナ軍の部隊の一つを、ナチスの第1山岳師団になぞらえたものだ。同師団はエーデルワイスの花を記章とし、第2次世界大戦で戦争犯罪を犯した。
翌日、ロシア外務省はツイッターでこれを取り上げ、ウクライナにナチスがいる「証拠」だとした。
しかし、アルプス地方に咲くエーデルワイスの花は、他のヨーロッパ諸国でも山岳軍事師団のシンボルとして使われてきた。クロアチアの山岳救助隊、スイスの軍将兵、ポーランドの第21ライフル旅団などだ。
ロシアにさえ、「エーデルワイス」と呼ばれる特殊部隊があった。国家親衛隊ロスグヴァルディアの第17特殊目的分遣隊が2011年、この称号を受けた。ただ、2016年に「アヴァンガルド」に改称された。
「ウクライナ政権が核兵器を手に入れようとしたことも覚えている。公然とそう言っていたからだ」
ウクライナが核兵器を入手しようとした証拠はない。プーチン氏は以前も同じ主張をしたが、証拠を示していない。
旧ソヴィエト連邦の一部だった時代には、ウクライナに核兵器の基地があった。しかし、1994年にウクライナは核拡散防止条約に調印。安全保障と引き換えに核兵器を手放した。
2021年、ウクライナのアンドリイ・メルニク駐ドイツ大使(当時)は、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟できなければ、非核国の立場を考え直さなくてはならないかもしれないと示唆。
ゼレンスキー氏は昨年、ウクライナは核戦力を「放棄」したのに、「安全保障は得られていない」と述べた。
しかし、ウクライナ政府は核兵器獲得の意向を表明していない。2021年に発表された軍事戦略文書も核武装に言及していない。
国連で核監視を担当する国際原子力機関(IAEA)は、ウクライナで 「平和活動目的の核物質が他の目的に転用された」形跡は見られないとしている。
「2022年のGDP(国内総生産)は2.1%しか減少していない。2月か3月にはロシア経済の崩壊が予測されていたのに」
ロシア経済の縮小が予想より小さかったのは、プーチン氏の言うとおりだ。
ロシアの統計局によると、GDPでみれば経済は昨年2.1%縮小した。これは、国際通貨基金(IMF)が最新報告書で推定した2.2%に近い。
この縮小でロシアは、IMF報告書の中で依然、最も経済状況の悪い国となっている。ただIMFは、予想より小幅の縮小だったと認めている。
IMFによると、ロシアの貿易は同国を制裁対象にしていない国々に振り向けられているという。
例えば、ロシア産原油の最大の買い手はインドと中国になった。西側諸国が購入を制限し、ロシアに制裁を科しているためだ。
2023-02-22 05:04:18Z
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