長崎県佐世保市の九十九島動植物園「森きらら」で、単独飼育していた雌のシロテテナガザルが突然子猿を産んだ謎を巡り、2年越しにようやく父親が判明した。園によると、接触しないように飼育していた別種のテナガザルが父親であることがDNA鑑定で確認された。展示場と寝室を仕切る金属板に開いていた穴が、接点となった可能性が高いという。
園によると、出産したのはシロテテナガザルの「モモ」(12歳)。シロテテナガザルは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されており、モモは、園内では別種の雄との接触を避けて単独飼育されていた。
ところが、モモは2021年2月に突然、出産。園は父親を調べるため、京都大にDNA鑑定を依頼し、昨年12月、子猿の父親は、飼育していた別種のアジルテナガザルの雄「イトウ」(34歳)であることが判明した。2匹は同じ展示場で交互に展示。バックヤードにあるそれぞれの寝室は展示場と隣接し、金属板で仕切られていた。板には、直径約9ミリの穴が並んで開いており、2匹の接点は、この穴以外には考えられないという。
出産後、園は仕切りの金属板を穴のないものに交換した。子猿は雄で、子育てに熱心なモモのおかげで、体重2キロほどまでに、すくすくと成長している。園の久野英樹次長は「母子を温かく見守ってほしい」と話している。
2023-02-01 07:03:00Z
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