3年前、福岡市の商業施設で、少年院を仮退院してまもない当時15歳の少年が女性を殺害した事件をめぐり、女性の遺族が、少年院で十分な矯正教育が行われていなかったなどと訴えて、国に賠償を求める民事裁判を福岡地方裁判所に起こしました。
2020年8月、福岡市中央区の商業施設で、買い物に訪れていた21歳の女性が、少年院を仮退院したばかりだった、当時15歳の少年に刃物で刺されて殺害されました。
少年は刑事裁判で懲役10年から15年の不定期刑が確定しましたが、女性の遺族は10日、仮退院させた少年院の対応に問題があったと主張して、国に6100万円余りの賠償を求める民事裁判を福岡地方裁判所に起こしました。
遺族は、少年院が少年に対して集団生活に適応できないという、特性に応じた矯正教育を受けさせていなかったことや、警察や保護観察所などの関係機関との間で検討会を開かないまま、仮退院させたことなどが事件につながったと訴えています。
提訴後に会見した女性の母親は「少年にしっかりと矯正教育を行っていれば、事件は起きなかったと思うので本当に悔しい。国側には、矯正教育の経緯をすべて公開してほしい。なぜ仮退院を許したのか、その理由を知りたい。娘の命を無駄にしたくない」と述べました。
法務省矯正局「コメントは差し控える」
提訴について、少年院を管轄する法務省矯正局は「訴状が届いていないので、コメントは差し控えさせていただく」としています。
2023-03-10 05:06:43Z
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