「アルテミス計画」は、アメリカが主導する国際月探査プロジェクトです。
1960年代から70年代、人類を月面に送り込んだ「アポロ計画」以来、およそ半世紀ぶりに月に宇宙飛行士を送り込むことを目指しています。
計画の名前の由来となっている「アルテミス」は、ギリシャ神話の月の女神で、「アポロ計画」の由来となった「アポロ」とは双子のきょうだいです。
現在の計画では2026年9月に宇宙飛行士が月面に降り立つミッションを実施することを目標としています。
これに先だって、2025年9月に宇宙飛行士を乗せた宇宙船が、月の周りを周回する試験飛行を行うことを目指しています。
さらには2026年以降も継続的に宇宙飛行士による月の探査が行われる予定で、月面での長期滞在や将来、火星の有人探査も見据えています。
NASA=アメリカ航空宇宙局はこのプロジェクトで使用する宇宙船「オリオン」や大型ロケットの開発を進めていて2022年には無人の宇宙船を大型ロケットで打ち上げ、月を周回して地球に帰還させる試験飛行を行いました。
また、宇宙飛行士が月面に降り立つ際に活用する、月を周回する新たな宇宙ステーション、「ゲートウェイ」の建設も予定されています。
アルテミス計画は国際協力のもと進められていて、日本やヨーロッパなども参加し、ゲートウェイの建設やプロジェクトに必要な機材の開発に協力することになっています。
日本はことし4月、アメリカ側と月面探査に関する取り決めに署名し、この中でNASAが日本人宇宙飛行士に2回にわたり月面に着陸する機会を提供し、探査活動を行う一方で、日本側はJAXA=宇宙航空研究開発機構がトヨタ自動車などとともに開発を進めている有人月面探査車の開発や運用にかかる費用などを負担して月面探査に協力することなどが盛り込まれました。
またアメリカの民間企業では、宇宙開発企業「スペースX」が月面着陸に使用することを想定した大型宇宙船「スターシップ」やこれを打ち上げるための大型ロケットの開発を進めていて、今月行われた試験飛行では、目標としていた、宇宙船の地球への帰還が初めて確認されています。
2024-06-25 07:04:57Z
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