中国湖北省武漢市で確認された新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本政府は26日、現地に在留する日本人のうち希望者全員を帰国させる方針を決めた。民間チャーター機の活用を検討している。感染拡大の勢いは依然収まっておらず、世界の感染者数は26日で2000人を超えた。
安倍首相は同日、「チャーター機などの手当についてメドがついたことから、中国政府との調整が整い次第、あらゆる手段を追求して希望者全員を帰国させる」と表明した。首相公邸で記者団に語った。
これに関連し、外務省はホームページで、出入国手続きに必要だとして、帰国希望者に氏名や連絡先、パスポート番号などの情報を提供するよう呼びかけた。
現地の在留邦人は700人程度とされ、政府は国外退避を短期間に完了させるには航空機の利用が最適だと判断している。ただ、中国政府は現地の空港を封鎖しており、チャーター機の離着陸には中国側の許可が必要だ。首相は「中国政府と様々なレベルで調整を進めているが、今後一層加速し、速やかに帰国を実現させたい」と語った。米国なども民間チャーター機の利用を検討しており、中国側に空港の使用許可を求めているとみられる。
在留邦人が民間チャーター機で国外退避した事例には、1989年6月に中国で起きた天安門事件や、98年5月にインドネシアで発生したジャカルタ暴動、2002年6月のインドとパキスタンの緊張激化などがある。
2020-01-26 11:07:00Z
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