国民民主党は、19日、党を解党したうえで立憲民主党との合流新党を結成する方針を決めました。一方、先に分党を表明した玉木代表は、みずからは合流に参加しない意向を重ねて示すなど、合流に慎重な議員もいることから、今後、調整が図られることになりました。
冒頭、玉木代表は「より大きなかたまりを作り、日本の政治を変えていくという思いで議論をしてきた。立憲民主党との合流協議について、結論を得たい。国民民主党に一つの終止符をここで打ち、新たなスタートを切っていける前向きな議論を導きたい」と述べました。
会合では、執行部が、両党の幹事長らで合流後の新党の綱領案をまとめたことなど、これまでの経過を報告し、合流の是非について、協議が行われました。
会合では、先に、合流に参加しない意向を表明した前原元外務大臣など、数人の議員が途中で退席する場面もありました。
協議を終えて、挙手による採決が行われた結果、賛成多数で、国民民主党を解党したうえで立憲民主党との合流新党を結成する方針を決めました。
また、玉木代表は、会合のあと、みずからは合流に参加しない意向を重ねて示すなど、党内には合流に慎重な議員もいることから、こうした議員への対応は、代表と幹事長に一任され、玉木代表が先に示した「分党」の提案の是非も含め、今後、調整が図られることになりました。
玉木代表 「合流には加わらない」
そのうえで、先にみずからが提案した「分党」について、「所属議員が5人以上という政党要件を満たさないと党の分割にならないので、要件を満たす仲間が集まり、やっていくということであれば当然そういった協議を行うことになるし、それが円満かつ有効な手続きの1つだと理解している」と述べました。
平野幹事長 「玉木氏も新党参加を」
一方で、記者団が玉木代表が新党に加わるかどうか質問したのに対し、「当然、私はそれを前提にしている。玉木代表自身の判断はあるだろうが、玉木氏に先頭に立って、新党の代表選挙にも出てもらいたいという思いでいっぱいだ」と述べました。
小沢氏「野党が結集して力を合わせていこうということ」
合流協議で調整役を担ってきた国民民主党の小沢一郎衆議院議員は記者団に対し、「とんでもない政権に取って代わる、国民のための政治を実現するため、野党が結集して力を合わせていこうということだ。ほぼ、総意でもって合併が了承されたことは、日本の戦後政治の憲政上の大きな出来事だ」と述べました。
山尾志桜里衆院議員「政策の一致なく新党には参加しない」
国民民主党の山尾志桜里衆議院議員は、記者団に対し「1つの政党になれるほど理念や政策の一致がないので、合流新党には参加しない。私自身は小さくても明確な理念と政策を持った政党に所属し、現実的で政策提案ができる本当に良質な政策集団の一員として頑張っていきたい」と述べ、玉木氏と行動をともにする考えを示しました。
津村啓介衆院議員「全員が参加できる努力を期待持ち見守りたい」
国民民主党の津村啓介衆議院議員は記者団に対し「合流新党に参加したい。新党が結党されるまで、玉木代表やその他の皆さん含め全員が参加できる努力が続けられると思っているので、期待を持って見守りたい」と述べました。
川合孝典参院議員「支援者の意見を踏まえ検討」
そのうえで、「今後の交渉経過がどうなるかによって議員たちの態度が変わってくる可能性がゼロではないと思う。私自身は地方や支援者の意見を踏まえて検討する」と述べました。
奥野総一郎衆院議員「排除しないで大きなかたまりを」
国民民主党の奥野総一郎衆議院議員は、記者団に対し「合流新党には参加したい。新しい党で頑張っていきたい。希望の党の騒動が起きた時の教訓は、『排除してはいけない』ということだ。排除しないで、大きなかたまりを作っていくことが大事だ」と述べました。
城井崇衆院議員「政策提案型ができるかどうかで考えたい」
国民民主党の城井崇衆議院議員は、記者団に対し「綱領などの説明は受けたので、週末にかけて支援者と相談したい。国民民主党がやってきた政策提案型のスタイルができるかどうかだ。例えば、エネルギー政策の部分で、これまでは安全で安定的なエネルギーの確保に向けた現実的な提案を重ねてきたが、そうしたものを持ち込んでいけるのかも含めて考えたい」と述べました。
徳永エリ参院議員「気持ち整理して結論を出したい」
一方、新党への参加については「今、寂しさといろいろな場面が頭に浮かんでいる。国民民主党、国民民主党と言って、旗を立てて演説することが明日からできないと思うと、少し混乱しているので、気持ちを整理したい。自分のことはきちんと考えて結論を出したい」と、時折、声を詰まらせながら述べました。
自民党幹部「政治情勢に影響はない」
また、別の自民党の閣僚経験者は「世の中の期待が高まっているようには感じない。旧民主党から、くっついたり離れたりを繰り返し、国民からはコップの中の嵐にしか見えないのではないか。ただ、選挙のことを考えると、これをきっかけに野党候補の1本化が進む可能性はあるので、どの程度進むか注視したい」と述べました。
2020-08-19 13:15:00Z
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